資産運用/資産運用をするときの鉄則

セカンドライフに向けた運用で失敗しない5つの極意(2ページ目)

失敗しても挽回の利く若い人以上に、地に足を付けた着実さがもとめられるシニアやプレシニア層の資産運用。より豊かなセカンドライフを目指す人へ、資産運用で大きな失敗をしないための大切な極意についてご紹介します。

執筆者:村岡 里香

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その3.投資金額の決定は一定の範囲内で~運用可能期間で手持資金を振り分ける

マーケットの波と自分なりに上手に付き合うのが大人の資産運用

マーケットの波と自分なりにうまくつきあうのが大人の資産運用

手持ちの資金をどれくらい投資に回したらよいの?と迷う人は多いようです。ポイントは「5~10年以内に使うお金」と「10年後以降に使うお金」に分けること。5~10年以内に使うお金は投資には向きません。なぜなら運用期間が短いと運用成果のブレが大きくなり、元本割れが生じる可能性が高くなるからです。運用期間が10年以上あれば、万一大きく値下がりしてもじっくり回復を待てるのでリスクを抑えられます。

実はここでもキャッシュフロー表が役に立ちます。たとえば前ページの例で現在から10年経った時点を見ると、保有資産残高は1,700万円(利回りは投資をしない0.1%の場合で)。つまり現在運用に回せる金額は1,700万円が目安になります。例のように3,000万円の手持資産があるなら、そのうち1,300万円は預金や個人向け国債など安定商品に預けておいて、残りの1,700万円を投資に回すことで、全体として目標利回りを目指せばよいというわけです。

その4.あらかじめ想定最大損失の心得を~幅広い分散投資でブレを抑える

足元の投資環境はアベノミクス効果もあり好調ですが、バブルと危機を繰り返してきたのがマーケットの歴史。これまでだいたい10年に1度ないし2度は株価の大きな下落が起こってきました。そんな値動きとも仲良く付き合っていくのが資産運用といえ、あらかじめ最悪の場合の損失額をイメージしておくことで、突然の下振れにも慌てずにすみます。

資産クラスごとの過去20年間における最大年間損失からイメージできる最悪のケースは、国内株式と外国株式は-50%、外国債券は-25%、新興国債券は-30%、新興国株式は-60%、国内債券は-3%になります。自分が投資する金額を基に最大損失を金額で想定しておくことがポイントです。

ただし複数の資産クラスに分散投資をしていれば、資産同士で値動きを打消し合う効果が働くので、運用資産全体でのブレはより抑えられます。大切なのは投資成果の最大ブレ幅をあらかじめ知っておくこと。そしてブレを抑えるために特定の国や地域、資産にこだわらず、できるだけ幅広く分散投資することです。

その5.家庭円満のコツはホウレンソウ~資産状況や運用方針は夫婦で共有する

ライフプランはもちろんのこと、資産運用の状況がどうなっているのか、これからどうしていくのか、夫婦であれば二人の間できちんとシェアしておきたいものです。「相手に任せていたらいつの間にか投資額が膨らんでいた」「知らない間に思わぬ損失が出ていた」といったことが原因で夫婦間に溝ができてしまうことは多いからです。

何事も家庭円満のコツはホウレンソウ(報告、連絡、相談)。できればパソコンやノートに資産状況をまとめてお互いがいつでも確認できるようにしておくと良いでしょう。ちなみに我が家では登録した証券口座の情報をまとめて把握できる無料のネット家計簿を活用しています。

日経平均株価など代表的な指標に連動する投資信託など、夫婦お互いが理解できる分かり易い運用を心がけることもおすすめ。景気や金融政策についてなど夫婦間に会話が増えやすいことに加え、長期で見た運用成果の安定化にもつながるはずです。

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