視点の変換による〈普段意識しない景色の再発見〉や〈その国らしさ、良さの再認識〉や〈モノの選び方の新しい視点〉を与えてくれたものが数多くあった今年の展示会。その中から、3つほど印象的だったものをレポートしながら、今後の生活に役立てられるような視点をご紹介します。
普段の風景を鮮やかに切り取って見せた〈Any Tokyo〉
東京タワーの足下にある増上寺・光摂殿を会場とした〈Any Tokyo 2014〉。その入り口にある黒門の軸組はネオンカラーにフレーミングされ、イベント会場までの道のりをワクワクさせてくれる演出に成功していました。関係のない用事でこの門をくぐった人も多いのではないでしょうか。蛍光グリーンをメインカラーに選んだ理由として、人間が作り出すものへの尊敬の念はもちろんのこと、自然への尊敬も込めてその象徴としてグリーンを。年に一度のイベントであることのインパクト、非日常などの要素を蛍光色で表わそうという意図があるそうです。
2014年のメインカラーのフレームで鮮やかに囲われた黒門は、サインとしても印象的で優れていた。Photo by ASAKI KOSHIKAWA
会社帰りのデートに寄ってもいい立地。誰でも無料で入れるのも〈Any Tokyo〉の魅力のひとつ。Photo by ASAKI KOSHIKAWA
非常に鮮やかな東京タワーと同じようなカラーリングのお地蔵様。異質なネオングリーンが入る事で、日常風景を「発見する」
サイン計画が非常に分りやすく、公共デザインのサイン関係にも応用できそうでした。
階段下と階段上で全く趣の異なるイベントが行われ、鉄骨のタワーと木造の寺社建築とネオンカラーが一つのフレームに収まっていた。