チーム再生のスペシャリストは日本通
マドン監督は万年最下位だったレイズを9年間で4度もプレーオフ進出に導いた名将。2年連続最下位で、5年連続負け越し中のカブスを立て直すのには、これ以上ない人物だ。「私は来年のプレーオフ進出を見据えている。有能な選手が揃っているし、素晴らしい挑戦だ」と宣言した。セオ・エプスタイン球団本部長(副社長)も「彼らしくやってくれれば、勝てる」と全幅の信頼を置く。2002年から2011年までレッドソックスのGMとして辣腕をふるい、2004年と2007年の二度、レ軍を世界一へ導いた男は、マドン監督に対し、オフの大型補強を約束した。この新監督就任を喜んで受け入れたのが、和田だ。「勝つ野球を実践される監督。(任期途中の)監督を代えてまでマドンさんにしたという覚悟の表れだと思う」とした後、「その中で僕がこういう契約をいただいた。“頼むぞ”というメッセージだと思う。絶対に結果を残してやるという気持ち」と意気に感じている。
マドン監督は松井秀喜がレイズに在籍していた時は良き理解者だったし、日本通でもある。“有能な選手”の中には当然、和田も入っている。1908年を最後に106年間、世界一から遠ざかっているカブスを強くするのは、チーム再生のスペシャリストであるマドン監督と、ようやく本来の調子を取り戻した和田のコンビかもしれない。