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PMS(月経前症候群)の治療薬「プレフェミン」が登場

PMS(月経前症候群)治療薬の「プレフェミン」が2014年9月10日より、ドラッグストアで買えるようになりました。薬剤師の説明が必要な要指導医薬品になりますので、注意点も含めてご紹介します。

執筆者:村上 綾

PMS(月経前症候群)の治療薬が登場

月経3日~10日くらい前から始まる精神的・身体的症状で、月経開始とともに症状が軽減または消失するものをPMS(月経前症候群)といいます。イライラ、憂鬱、情緒不安定などの精神的症状や、胸のはり・痛み、むくみなどの身体的症状など症状はさまざまです。プロゲステロンというホルモンの月経前の急激な変動が関係していると考えられています。

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陥りがちなネガティブ思考

憂鬱な気分になりながらも、生理前だから、と仕方なく思っていた方もいるのではないでしょうか。今まで日本ではPMSに適応のある治療薬はありませんでしたが、西洋ハーブチェストベリーという成分が薬としての有効性・安全性が認められ、PMS(月経前症候群)治療薬「プレフェミン」として日本で初めて新ゼリア新薬より発売されました。

チェストベリーは新しく承認された成分で、医療用医薬品としての承認を経ずに直接市販で売られるようになったため、要指導医薬品という薬剤師の指導が必要な薬に分類されています。原則として、使用する本人のみに販売が制限されており、インターネット販売はできません。薬局、薬店、ドラッグストアで販売されます。

「プレフェミン」の効能効果、使い方

■月経前の次の諸症状(月経前症候群)
乳房のはり、頭痛、イライラ、怒りっぽい、気分変調

■成人女性(18歳以上) 1回1錠を1日1回服用
頓服ではほとんど効果がなく、基本的に毎日服用します。1ヶ月程度継続服用すると症状の改善を自覚的に感じられるようです。

「プレフェミン」の注意点

副作用は少ないですが、吐き気などの消化器症状、発疹などの皮膚症状が出ることがあります。服用後、体調の異変を感じることがあれば、服用を中止して、医療機関を受診してください。

■ドパミン系に影響を与える可能性があることからパーキンソン病の薬を服用している方や、抗精神薬などを服用している方は併用を避けたほうがよいです。

■ホルモンに影響をあたえるとして、妊婦・授乳時は安全性の確認はできていません。チェストベリーは一部で催乳作用を目的としたサプリメントして販売されていることもありますが、実際には乳汁分泌が減少すると考えられます。また、経口避妊薬、ホルモン剤との併用も避けるべきです。特に低用量ピルは併用により効果が減弱される可能性があると考えられています。ホルモンに過敏な状態 (乳がんなど) の場合も使用しないでください。

生活の見直しも大切

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適度な運動が効果的

PMSの精神的状態にはセロトニンという物質が関わっていると考えられています。米国などではPMSに対してSSRIというセロトニンの作用に関わる薬が使われますが、日本では今のところ承認されていません。PMS治療薬としてSSRIの服用はできませんが、リズムのある運動することによって脳内セロトニンの作用に働きかけることがわかっているため、適度な運動をすることは効果的でおすすめです。

また、食生活に関してもセロトニンの材料となるトリプトファンを多く含む食品(動物性タンパク質、肉、魚、乳製品など)の摂取、セロトニン生合成の補酵素となるビタミンB6 (豆類、ナッツ類などに多く含まれる) が不足していると思われる場合は補うなど、生活スタイルの見直しも平行してPMSの改善に取り組みましょう。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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