ご挨拶
まいど、相場の福の神こと藤本です。信用取引の始め方・勝ち方の連載コラムです。このコラムの目的は、藤本流の半歩先読みの投資手法を学んでいただき、信用取引を上手く使うことによって、半歩先読みの投資戦略を実現化させます。最終目的は、このコラムをお読みの個人投資家が、「50万円」の投資金額で、毎月「5万円」を儲けることの出来るくらいにすることです。藤本流「半歩先読み術」と信用取引を使えば、あなたも勝てる投資家に!
今回は、「信用取引で勝つための、日経新聞社会面記事の読み方」です。
日経新聞社会面記事とは
前回の1面記事については、好材料・悪材料によって個別銘柄が急騰・急落する即効薬的な効き目がある記事ですが、社会面の記事については、じっくりと効くような漢方薬的な効果があるものです。社会面なので、事件や事故など社会的な関連の記事が掲載されているので、本来は直接的に個別銘柄につながるケースは少なく、連想ゲームによって関連銘柄を探し出す必要があります。社会面の記事でもいくつかのパターンによって、株式市場への反応が異なりますので、代表的なパターンによって、株式市場への反応をご紹介いたしましょう。
火事・事故など個別銘柄が特定される悪材料
例えば、工場の火事や事故など明らかにその企業への悪材料が掲載されている場合があります。この場合は、火事・事故など一時的な悪材料で株価が大きく下落することになります。その火災・事故によってその企業のビジネスモデルが根底から覆されるようなことがなく、あくまで一過性の悪材料だと判断できれば、買いチャンスとなる場合が多いです。その場合も、下落局面では買い参戦せずに、反発を確認してからの買い参戦をおススメします。
具体例 2012年9月29日 <4114>日本触媒 (東証1部)
2012年9月29日、姫路製造所で化学薬品(アクリル酸)のタンクが爆発し、これが発端となって大規模な火災が発生。これにより、姫路市消防局網干消防署の消防士1人が死亡し、同製造所従業員や兵庫県警網干署員ら計36人も火傷などの重軽傷を負った。この火災によって、世界中に大きな影響がありました。日本触媒は、紙おむつの“元”となるSAP(高吸水性樹脂)の主原料を同工場で製造しており、同社はSAPで3割のシェアを握る世界最大手でした。
同社の姫路工場での痛ましい火災・事故の発生によって、図表1の週足チャートで判るように、日本触媒の株価は大きく下落しました。
しかしその後、株価は堅調に推移したのです。
このように社会面で掲載されるような火災・事故の場合で、大きく株価が下落した場合は、基本的には、一時的な悪材料なことが多いので、株価が戻す場合が多いようです。
信用取引では、まず大幅下落局面では買わずに、直近の安値から5%程度戻したところで、直近安値を損切りライン(ストップロス)において、買い参戦するのが、良い戦略でしょう。
その後は、事故直前に水準手前で一旦利食いを入れて、その水準をまた上回ってくれば、次はその事故直前の水準を損切りライン(ストップロス)において、更に買い参戦するのも良いでしょう。
死亡事故・事件
社会面に掲載されるような痛ましい死亡事故・事件があると、その事故・事件をきっかけにその原因を取り除くような法整備が進む場合があります。残念ながら、その危険性が判っていても、実際に尊い人命が失われるような事故・事件がないとコスト面などから法整備によって強制的に行うことが難しいのですが、痛ましい事故・事件などがあると、大きな世論の後押しがあるので、一気に法整備が進むのです。株式投資においては、その事故・事件の原因を取り除くことが出来る商品・サービスを提供している企業が、中・長期的な追い風になることになります。
信用取引では、その事件・事故の後、関連銘柄として上昇した銘柄が、法整備の進展によってその関連銘柄にフォローの風となることを期待して、後追いで買い参戦する戦略となります。
2013年2月8日 長崎市の認知症高齢者グループホーム火災
平成25年2月8日(金)19:40分頃に長崎のグループホームベルハウス東山手において火災が発生し、高齢者5人の方が亡くなっています。この施設は、消防法施行令に基づくスプリンクラー設置義務のかかる対象施設(275平方メートル以上)には非該当の小規模施設でした、この火災・事故で問題となったのが、スプリンクラーが設置されていなかったことでした。もし、スプリンクラーが設置されていたら、尊い人命が失われていなかったかも知れないからです。この施設が、消防法の基準では設置義務がなかったのですが、この火災・事故によって、基準を強化して、より小規模の施設にも、スプリンクラーの設置が義務付けられるようになったのです。
株式市場で、この規制強化が追い風となったのが、スプリンクラー大手の能美防災<6744>です。図表2の赤丸の部分でこの火災が起こったのですが、それ以降、規制強化によるスプリンクラーの拡販期待で株価が大きく上昇したのです。
信用取引を活用して、買い参戦していれば、非常に大きな投資収益が期待できたことになります。
万引き・窃盗
日本全国で、万引き・窃盗などの事件は、数多く発生しており、すべての事件が日本経済新聞の社会面に掲載されるわけではありません。容疑者が警官・教師・著名人など社会的インパクトのある場合か、または盗んだものが、大ヒット商品・人気商品などの場合に限られることになります。だから、日本経済新聞の社会面に万引き・窃盗などの記事が掲載された場合、その盗まれた商品に記事のポイントがある場合、それほどまでに、大ヒットした人気商品ということになるので、その商品を製造・販売している企業の中・長期的な投資が期待できるということです。
過去で言えば、「ドラクエ」の新ソフトの発売日に、せっかく並んで買ったソフトを恐喝されて取られた事件や、「iPad」が大人気の時に、数百台を盗んだ窃盗犯の記事など掲載されていました。
次回は、日本経済新聞の他の面の活用法をご紹介いたしましょう。
今回のまとめ
・社会面の記事は、漢方薬的にじっくりと株式市場に効き目がある場合が多い・社会面に掲載される事故などで、一過性の悪材料と判断できる場合は、急落後の反発後の初動で買い参戦がおススメ。
・万引き・窃盗などの対象商品を製造・販売している企業は、大ヒット・人気商品として認められたことになるので、中・長期的な買いチャンスの可能性がある。
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