株式戦略マル秘レポート/戸松信博の「海外投資、注目銘柄はここ!」

香港デモで急落の中国株は買い?

香港で民主化を求めたデモが拡大する中で、香港に上場する中国株が下落しています。しかし、中国本土株は逆に年初来高値を更新し続けているような状況で、今回の下落はチャンスと捉えることも出来ると思います。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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香港デモで急落の中国株は買い?

香港デモで暴落中の中国株は買い!?

香港デモで暴落中の中国株は買い!?

香港で民主化を求めたデモが拡大する中で、香港に上場する中国株が下落しています。人の行く裏に道あり花の山といいますが、もしもこのデモが収束すれば香港に上場する中国株は急激に反発する可能性があると思います。そこで今回は中国株の今後の見通しについて考えてみたいと思います。

まずは、中国株に関連する各指数の長期的なチャートの趨勢を確認してみましょう。中国本土で取引される大型株から構成される上海総合指数ですが、習近平政権が行っている倹約政策によって抑えつけられていた株価がようやく、景気刺激策や金融緩和への期待から上離れしてきたところです。

中国経済のスローダウンが伝えられるが、意外にも中国株は年初来高値を更新し続けている

中国経済のスローダウンが伝えられるが、意外にも中国株は年初来高値を更新し続けている

一方、香港ハンセン指数は上昇基調が続いていたのですが、現在は香港の民主化へのデモへの懸念が高まり大きく調整しているといったところです。
香港ハンセン指数はデモへの懸念が高まり大きく調整している

香港ハンセン指数はデモへの懸念が高まり大きく調整している


最後に、香港に上場する中国株で構成されるH株指数はその中間的な感じで、三角持ち合いが終盤に来て、どちらかに振れるところだと思います。これはおそらくですが、香港のデモがなければハンセン指数も上昇トレンドを維持して、H株指数も三角持ち合いを上にブレーク出来たのではないかと思います。

H株指数は三角持ち合いの終盤局面。これから上か下、どちらかに振れるところか

H株指数は三角持ち合いの終盤局面。これから上か下、どちらかに振れるところか

ファンダメンタルを考えると株価は上に振れやすい

次に中国株を取り巻くファンダメンタルを考えてみましょう。外的要因を考えれば米国経済は絶好調で、量的緩和を縮小(テーパリングを実施)し、国債を買う資金が減少しているにもかかわらず、欧州のマイナス金利導入や日本の異次元の金融緩和によって世界的にはお金余りの状態が続き、それが米国(米ドル、米国債券)に資金が流れ込むものですから、好景気なのに金利が下がらないという絶好の状態が続いています。不動産価格は上昇して、株価も回復していますから、今年年末のクリスマス商戦はかなりの活況となるのではないでしょうか。

目先の米国株は調整していますが、米国経済はもう少し良い状況が続きそうですので、調整後は再度上昇基調に入れるのではないかと思います。それによって世界的にもリスク選好の状態が続くと思います。

一方、中国の方は、次の人事異動となる2017年まで、習近平主導の汚職撤廃、綱紀粛正、倹約政策は続くものの、不動産価格の下落や経済成長率の予想よりも大きなスローダウンなどが起こってきて、これまで引き締めていた金融政策や不動産政策などを、目先は緩和する方向に向かっているように見えます。これを歓迎して上海総合指数は上昇しているわけです。

以上、外的要因も内的要因も株価は上に振れやすい状況だと思います。

>>では中国株は買いなのか!?次のページでは核心に迫ります!
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