鞍馬の火祭(くらまのひまつり)
天慶3(940)年、平安京の内裏に祀られている由岐神社を、朱雀天皇の命により鞍馬に遷宮されました。この時、かがり火をたいた遷宮の行列は1kmにも及んだと言われています。この行列に感激した鞍馬の住民が、その出来事と由岐明神の霊験を伝えるために始まったものが、鞍馬の火祭の起源とされています。祭り当日のおもなスケジュールは以下の通りです。
10月22日
神事振れ 18:00~
松明勢揃い 山門下 21:00頃
各種儀式 21:30頃~
注連切りの儀、神幸の儀、チョッペンの儀など
行事終了 24:00頃
「神事振れ」で「神事にまいらっしゃれ」の合図とともに町内各所に置かれた、かがり火に点火、次々と松明にも点火、男たちが灯のついた松明を肩に担いで「サイレイ、サイリョウ」のかけ声とともに、山門へとあがっていきます(写真)。
この行事でもっとも盛り上がるのは、注連切りの儀と、チョッペンの儀。石段下に500本もの松明が勢揃いするなか、そこに張り巡らされた注連縄を切り、神輿が一気に石段を駆け下ります。これが注連切りの儀。そしてチョッペンの儀は、ふんどし姿の若い男が神輿の先頭に逆さになってぶらさがり、松明燃えさかる中を降りていくという、一種の「元服行事」とされています。
この祭りを見るのに気をつけたいのが、交通規制と、町の狭さ。15時頃から山の一帯は車両通行禁止になるので電車(叡山電鉄)で移動するほかないのですが、始発の出町柳駅では、乗車券の発売制限や改札制限が行われ、現地にたどり着けないこともあります。遅くとも15時頃までには電車に乗る予定をたてたほうがいいでしょう。特に、同日に行われる「時代祭」も見たいという場合は、スケジューリングをよく考えるべきです。
また、帰りも鞍馬駅で電車に乗るのに最大120分待ちということもあるので、市内中心部や大阪・大津方面に宿をとった方は、門限や終電に十分注意しましょう。
●鞍馬の火祭
開催期日:毎年10月22日(毎年同日)
アクセス:叡山電鉄 鞍馬駅下車
電話:075-741-4511(由岐神社 鞍馬の火祭テレフォンサービス(2014年9月1日~10月30日まで))
10月は、本格的な秋祭りがいっぱい開かれる季節。行きたくなる祭りは本当にたくさんあります。ぜひ今回のリストにあがっている祭り以外にも、いろんな祭りを開拓してみてはいかがでしょう。