ミサワホームの分譲ブランド「アルビオコート」の第一弾
都市部における分譲住宅の主役は、「パワービルダー」と呼ばれる事業者。どちらかといえば、あまり規模が大きくない、地元資本で不動産会社系の企業が多いのが特徴です。彼らは地域に密着していますから、土地情報に強く、だから分譲住宅の事業を小回り良く効率的に行えるのです。誤解のないように申し上げておきますが、だからといって地元資本の会社が分譲住宅、中でも狭小な分譲住宅ばかりを供給しているわけではなく、質の高い物件を供給しているケースもあります。つまり、事業者や事業性によって分譲住宅には様々なものがあるということをご理解下さい。
さて、ハウスメーカーも同様で、近年は都市型の分譲住宅の供給に力を入れているケースもあります。以下ではその事例として、先日取材してきたミサワホームによる「ALBIO COURT (アルビオコート)一橋学園」(東京都小平市)をご紹介します。
実は、この物件はミサワホームの新しい工法「MJ Wood(エムジェイウッド)」による街づくりの第一弾です。ミサワホームは木質系住宅と鉄骨系住宅を主力とするプレハブ系ハウスメーカーですが、MJ Woodはオリジナルの木造軸組工法(在来工法)による建物となっています。
この工法を用いることで、何かと制約が多い都市部の分譲住宅を供給をしやすくしたものです。また、基本的にモダン系デザインが多いミサワホームの中で、南欧風のデザインを建物に採用したのも特徴的です。
見学して感じたのは、新たなブランドでありながら、ミサワホームの住まいづくりのエッセンスが至るところにみられることでした。一般的に、ハウスメーカーの分譲住宅は間取りの設計や、ユニバーサルデザインの採用など、無理のない造りになっているのが魅力なのですが、そうした点ももちろん反映されていました。
興味深い内容が満載されている専用ブログ
また、全棟延べ床面積120平方メートルが確保されていることや、1棟1棟にそれぞれテーマを設け、画一的にならないような配慮がされているのも、この分譲住宅地レベルの高さを感じさせることでした。もちろん、それは街全体の景観にも当てはまることです。その特徴をさらにわかりやすく表現すると、MJ Woodの採用による新たなチャレンジ、ミサワホーム仕様の設計やデザイン性により、お得感を感じられる設えが実現しているという感じでした。まぁ、好みは人それぞれですから、興味のある方は是非、見学してみて下さい。
実は今回、この分譲住宅地をご紹介したのは、その専用ホームページにあるブログ「アルビオコートが出来るまで」が大変興味深かったからです。内容は、どのようにしてこの分譲住宅地が企画され、工事などが行われたのか、どんな工夫を盛り込んでいるのかなどが書かれています。
一見、普通のように思われますが、そうでもないのです。分譲住宅地に専用のホームページがあるのは珍しくありませんが、その内容はどれもありふれたもので、大差はありません。ですが、このブログでは、一般的なホームページにはない事業者の想いまで盛り込まれているのです。
要するに、ブログの内容を読み込むことで、前もって特徴を十分に理解した上で現地を見学できるわけですから、スムーズに見学できるということ。これは消費者の目線に立ち、説明責任をしっかりと行う姿勢がみえる非常に優れたチャレンジだと私は思いました。
分譲住宅はもちろんのこと、注文住宅で家づくりを行う人にも参考になる情報が満載です。私はこのブログは一見の価値があると思います。スマートタウンなどではありませんが、このような真面目な取り組みを行う分譲地はそれなりのお得感があるとも思います。