虫歯/虫歯の予防法

歯ブラシの保管方法・交換頻度の正解は?雑菌まみれを防ぐ3つのポイント

【歯科医が解説】歯ブラシは実は雑菌だらけ。見えない細菌がたくさん付着しています。洗剤で洗う食器などと違い、歯ブラシの保管方法や衛生管理はきちんとされていないのが現状です。歯ブラシを清潔に保つポイントをわかりやすく解説します。

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

歯ブラシは雑菌まみれ……箸以上に細菌が多い使用後の歯ブラシ

歯ブラシは雑菌まみれ!保管方法・交換頻度3つのポイント

毎日使っている歯ブラシ、実は雑菌まみれかも……

歯ブラシの歴史は古く、約5000年前の古代文明の頃より使用されていたという記録が残っています(『American Dental Association』)。初めは小枝を噛んで繊維状にし、それをブラシとして食べ物のカスを取り除いていましたが、500年ほど前からは、骨や木の柄に豚やイノシシの毛などを取り付けた物が使用されていたようです。

現在発売されている歯ブラシの多くは、ナイロン毛が使用されています。現在の形の歯ブラシが発売されたのは1938年。歯ブラシの歴史の古さから考えると、現在の形の歯ブラシの歴史はまだ浅いといえるかもしれません。

食事に使う箸・フォーク・スプーンなどは、一度使ったら洗剤などできれいに洗う人が多いでしょう。洗うためのスポンジや拭く布巾も消毒するなど、衛生面に気をつけている人が多いと思います。

しかし、同じように口の中に入れて使う歯ブラシは、それほど衛生面でのスポットを浴びていないようです。実は使用後の歯ブラシには、箸とは比べ物にならないほどの細菌が付着した状態です。
 

歯ブラシの正しい保管方法は? 衛生的に使う3つのポイント

残念ながら、毎日使用する歯ブラシを完璧に無菌管理する方法はありません。そのため、対応可能な範囲で細菌の繁殖を防ぐことを考えます。

■付着物は完全に落とす
使用したあとの歯ブラシには、歯磨き粉、食べカスやプラークなどが大量に付着しています。流水下で強めにブラシを指で動かして、それらをできるだけ取り除くようにします。すすぎは特にしっかりおこなうようにしましょう。

■とにかく乾燥
外部からの汚れを防止するためにキャップやケースにしまい込むよりも、使用後の歯ブラシが早く乾燥することを重視するようにします。可能であれば立てて保管して、さらに他人の歯ブラシと毛先が接触しないようにすることが大切です。できれば使用する前に、歯ブラシが乾燥状態であることを確認します。乾燥が間に合わないようであれば、2本の歯ブラシを交互に使用するようにするのもいいでしょう。

■歯ブラシの早めの交換
歯ブラシの交換時期は早ければ早いほど良い状態を保てますが、コスト面やいろいろな制約があるため、次のような点に注意して交換するようにしましょう。
 

雑菌歯ブラシの確認方法と交換時期

歯ブラシの交換は、主に3つのチェックポイントがあります。

■食べカスの詰まり具合
雑菌歯ブラシは、歯ブラシの植毛されている付け根の部分に食べカスが残っています。しかも、使用しているうちにその量が徐々に増えてくる傾向があります。十分な洗浄をおこなっても取れない汚れが溜まってくるようであれば、交換を検討してください。

■毛先の摩耗
最近では、先端の形状をさまざまに加工した歯ブラシが発売されています。このため毛先の広がりだけでなく、毛先が摩耗した状態では、清掃効果が減少します。

■毛先の広がり
毛先が広がるとブラシ1本1本の間隔が広がってしまったり、きちんと毛先で汚れを落とすことができなくなるため、清掃効果が低下します。裏技として、歯ブラシを熱湯につけると、広がってしまった歯ブラシが元に戻ることもあります(ナイロン製であるため)。しかし先端の摩耗はそのままになってしまうため、交換した方がいいでしょう。

歯ブラシは使用している期間が長くなればなるほど、細菌が多く残ってしまいます。やはり定期交換がベストです。できれば1カ月に1本程度交換してみましょう。3~4本まとめ買いしておき、月が変わるごとに新しくしていくと管理しやすくなります。

子ども用の歯ブラシは、小さいうちは歯ブラシを噛みながら磨くことも多いため、大人よりも早めに毛先が開いてしまうこともあります。このため交換時期は、大人よりも早くなるのが普通です。

電動歯ブラシの場合には、流水で流しながらブラシを振動させて汚れを落とすことができることや、交換ブラシのコストが歯ブラシに比べて高価になるため、3~4カ月程度で交換するのがおすすめです。
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