年収200万円時代に考えるお金サバイバル術/年収100万円の自由人・山崎寿人さんインタビュー

年収100万円の自由人が考える「本当の豊かさ」とは?

少ないお金で豊かに暮らす――。創意工夫にあふれた山崎さんのライフスタイルは、お金に振り回されずに幸せに生きるためのヒントが詰まっていました。インタビューの最終回は、山崎さんが考える“豊かな暮らし”と“幸せ”について伺います。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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山崎寿人さんが考える本当の豊かさとは?

本当の豊かさについてインタビュー(写真はイメージです)

本当の豊かさについてインタビュー(写真はイメージです)

“幸せを得たい”と願いながら、実際、自分にとって何が幸せなのか分からない――。“世間一般の幸せ”という曖昧なものに振り回され、疲れてしまう人が多いこんな時代だからこそ、山崎さんの迷いのない生き方や心豊かな暮らしには、清々しさすら感じます。そんな山崎さんが考える“幸せのカタチ”とは――?


自分のなかの“評価システム”をやめてみる

――いろいろと暮らしぶりを伺っていると、“本当の豊かさって何だろう”と考えさせられますね。

山崎寿人さん
 偉そうなことを言うつもりはありませんが、この世に生まれてきた以上、自分を幸せにする責任があると思っているんです。僕はただ、それを果たそうとしているだけ。確かに、今とは違った選択肢もあったかもしれないけれど、たとえどんな暮らしを選んだにせよ、得るものもあれば失うものもあります。僕の場合はこの生き方で幸せを得ているけれど、他の人におすすめできるかどうかはわかりません。その人の価値観によるでしょうね。

――生き方や価値観を貫くことができるのは、“自分”という存在に自信があるからなのでしょうね。大抵の場合、“世間一般の幸せ”という価値観に振り回されがちになってしまうものです。

山崎 こういうと傲慢に聞こえてしまうかもしれませんが、僕は小さい頃から、社会や国より自分の価値が下だと思ったことは一度もないんです。そういう意味では、世間の価値観というものからどこかズレていたのでしょうね。もちろん、世間一般の価値観を否定する気もないし、比べたって意味の無いことです。
僕の中にあるのは、”今あるものをどう楽しもうか”ということだけ。人から見るとネガティブな状況に見えても、僕にとっては、”その状況をどう楽しむか”ということしか考えないからマイナス思考にならない。今を楽しむことに集中していると、ネガティブなストレスはなくなります。

――自分の幸せを他人と比較しない。当たり前のようで、なかなか難しいですね。

山崎 自分の人生にも他人にも“値”をつけなくなると、みんなありのままに受け入れられるようになります。論ずれども、評価はせず。

様々な状況を評価しようと思うと、”自分は人よりも劣っている”とか”この人のほうが俺よりも上”といった感覚になってしまいます。自分の評価が上がれば嬉しくなるし、下がったと思ったらガックリ落ち込む。つまり、自分の価値が上がったり下がったりするわけです。それってすごく疲れることだと思うんですよね。

自分のなかの“評価システム”をやめれば、正解も不正解もない。優劣もない。何があっても自分の価値は満点だと思うこともできます。

“自分の幸せ”を追求することなら、誰にでも出来る

――ご自身の生き方をうらやましく感じる人もいる反面、“世捨て人”と見る人もいます。

山崎 そういう価値観があることも分かっていますが、僕としては若隠居が楽隠居くらいかなと(笑)。“30歳まで5年間みっちり働いていたからもういいじゃないか”と思うのですが、世の中の価値観はそうではないようです。

僕は、誰もが天才になる能力と才能を持っていて、それを活かす場も自分で選んでいると思うんです。例えば、会社という場所には、まさしく”サラリーマンの申し子”というに相応しい天才たちがいます。組織にうまく適応し、様々な軋轢をスルスルくぐり抜けて結果を出す。そういう能力に長けた人を見ると「あの世界では彼らに敵わないな」と思うけれど、僕は僕で、自分の幸せを追求して楽しく過ごすという才能はあるのかなと思います。

皆それぞれの価値観で人生を選択しているわけです。そこにはリスクもあるし、我慢しなくちゃいけないこともあるけれど、プライオリティをつけて、自分を納得させていく。リスクとメリットをはかりにかけながら、その人なりの生き方を選ぶことでしょうね。

★山崎さんのインタビューは今回で終了します。
第1回目から読みたい方はコチラ

教えてくれたのは…
山崎寿人(やまさき ひさと)さん
1960年生まれ。東京大学経済学部卒業後、大手飲料メーカーの広報マンとして5年にわたり活躍するが30歳で退職。その後日本新党の立ち上げにかかわり、小説家を志したことも。20年以上定職につかず、自分で豊かな生活をデザインする自由人として暮らす。著作『年収100万円の豊かな節約生活術』はベストセラーに。

取材・文/西尾英子

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