どのようなスキルが就職活動では有利であったか?
同調査では、海外就業体験(ワーキングホリデー・海外インターンシップ)を通じて身につけた、どの能力が就職活動に役立っているのかについても調査しています。下の図表「海外就業体験で得たどのスキルが就職活動で有利に働いたか?」を見ると、いくつかの項目があるなかで、次の6項目において「かなり有利な条件となった」と「少し有利な条件となった」の合計値が50%を超えているのが分ります。
・「交渉力・プレゼンテーション力」58.2%
・「仕事のマネジメント能力(段取り・計画力)」56.4%
・「企業家精神」52.6%
・「専門的知識・技能」51.7%
・「問題発見・問題解決能力」51.3%
・「外国語能力」50.4%
体験者がこれらの項目が効果的だったと感じるということは、「交渉力・プレゼンテーション力」や「仕事のマネジメント能力(段取り・計画力)」といった実践的なジョブスキルを自身でも獲得したという手ごたえがあるということでしょう。また、採用側も書類の文面や面接からそのことを感じ取ったであろう、と本人が推測しているということになります。
ガイドも所属する会社で何度も面接官を経験していますが、やはりこれまでやってきたことで、自信をもって語れる何かがある人は、面接を有利に進めることができるように感じています。
海外インターンシップは63.4%が就職に有利と回答
ただ、これらの能力は海外で就業体験をすれば皆が身につくものではありません。現に「特に有利な条件とはならなかった」との回答は43.8%であり、「不利」を感じた体験者も4.4%程度は存在しますし、むしろ「有利」に運んだとの認識を持つ体験者の37.9%よりも大きな数字となっています。ところが、最初の図表に戻ると、同じ海外就業体験でも海外インターンシップは「かなり有利な条件となった」(23.1%)、「少し有利な条件になった」(40.3%)と「有利」に運んだとの認識を持つ体験者は63.4%と半数以上にも上ります。
同じ海外就業体験であっても、海外インターンシップは目標が明確で、渡航前から語学の向上を目指すなどの準備をしっかり行う傾向がありますが、ワーキングホリデーはどちらかというと、渡航すること自体が目標であり、帰国後のイメージをあまり持たずに1年間を過してしまう人が多いように思われます(もちろん、しっかりとした計画をお持ちの人もいます)。
渡航前からの準備がポイント
ワーキングホリデーで渡航する人も、帰国後の就職を考慮するのであれば、出発前から1年間でどのような体験をして、どのようなスキルを身につけたいのか、一度時間を作って考えてみることをおすすめします。2014年9月現在、ガイドが理事を勤める(一社)JAOS海外留学協議会にて、厚生労働省委託事業Global ACE「勤労青少年の国際交流を活用したキァリア形成支援事業」を実施中です。海外就業体験を検討中の皆さん(学生を除く)に、有資格のキァリアカウンセラーが渡航前から帰国後まで、メールやスカイプで相談を受付(相談等の費用は全て無料)。これまでに600名以上がアドバイスを受けています。ぜひGlobal ACEのHPも参考にしてみて下さい。
(注1)調査方法
ワーキング・ホリデーや海外インターンシップなどにより、海外就業体験を行ったことのある対象者にアンケート調査を実施。対象者の抽出は、出国時に35歳未満であり過去10年以内に帰国したことを条件としています。
【実施方法】マクロミルのモニタ(登録数1,151,550名)に対するインターネット調査
【実施期間】2013年11月22日~11月30日
【有効回答数】1,583件