家計簿・家計管理/家計管理の基本

家計に借金を組み入れる時に守るべきルールとは

生活苦から借金をしてしまう人は少なくありません。しかし、借金をする前にやるべきことや、借金や金利の知識を身に付けておくことは大切です。借入先の選び方にもルールがあります。公的融資や生命保険の契約者貸付、銀行からの借り入れなど、注意すべき点について解説します。

二宮 清子

執筆者:二宮 清子

家計簿・家計管理ガイド

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主婦が借金する理由は「生活費の補てん」が多い

一人で家計を管理している場合、夫やパートナーに家計が苦しくなっていることを 伝える事ができず、一人で悩み消費者ローンに借金を作り、気付けば借金で借金を返済しているという負のスパイラルに陥るケースがあります。主婦の借金は、浪費だけでなく生活費の補てんといった理由が多いのが現状です。

主婦の方で多いケースはクレジットカードのキャッシングとカードローンでの借入れです。クレジットカードは一般消費者でも保有率が高く、一人で数枚持っているケースも少なくありません。数枚のクレジットカードで借入れし、返済に追われているケースが一番多いです。

またカードローンは通い慣れた銀行などでも発行しているので、借金のハードルが低いと感じるのでしょう。

しかし、クレジットカードのキャッシングもカードローンも金利は12~18%と比較的高く、更に返済方法がリボ払いとなるので、返済しても借入れを繰り返す以上終わりはありません。

家族や専門家への相談が大切

借金をする前に家計を見直し、無駄を省き、収入を増やす努力が必要になります。自分で家計の無駄を見付けることができない場合はファイナンシャル・プランナーに相談することも大切です。将来に渡り家計の見直しができるので、借金の利息を払う位なら数万円でFPに相談するほうが得策です。

以前、保険の見直しに来られたお客様はカードローンの借金が数十万円ありました。しかし、貯蓄性のある保険にも入っていたので、解約又は契約者貸付でカードローンの借金を一括返済するように勧めました。「生活費が足りなくなったら借りればいい」「とにかく早く借りれるところから借りればいい」といった短絡的な考え方は無知から来る弊害です。もっと安全にお金を借りることを知ることも大切です。

借入先の選び方にはルールがある

どうしても借金をしなければいけない場合、「金利の安いところから借りる」というルールがあります。金利ほど無駄な支出はありませんので、しっかりと比較検討することが大切です。借金にはどんな種類があり、なぜ金利に差が出るのか、まずは知識を身に付けていきましょう。

順序1 身内から借りる(金利0%~数%)

親兄弟から借りることができれば、一番いいでしょう。おそらく金利もつかずに色んな面で融通は利くと思います。しかし、原則は自分で作った借金は自分で何とかするのが一人前の大人ですから、ギャンブルや浪費といった借金なら親だからこそ援助しない場合もあるでしょう。多少の文句も我慢しなければいけません。また借りる側も、親兄弟の生活が苦しくなるほどの借金はしてはいけません。親兄弟に余裕がある場合は頭を下げて借りましょう。

よく、親兄弟には迷惑をかけたくないから言えないという方がいらっしゃいますが、反対の立場になって考えてみましょう。自分の子どもが生活苦で親に内緒で消費者金融に借金した場合、親であるあなたは子どもに「何で相談してくれなかったの?」と言うはずです。

順序2 公的融資を受ける(金利0%~数%)

生活福祉資金貸付といった、災害、疾病、出産、その他窮迫する事情によって緊急出費を要し、かつ資金の融資を他から受けることが困難な低所得者世帯に対して行う貸付です。金利も低く、条件に合えばこういった融資を受けたほうが金利も低く安心です。他にも、自治体によっていくつかこのような融資があるので探してみましょう。

順序3 生命保険の契約者貸付を利用する(金利2%~6%)

貯蓄性の高い、終身保険・養老保険・個人年金・学資保険などは解約返戻金の一定範囲内で契約者貸付を行うことができます。金利は各保険会社で異なりますが、約2%~6%で比較的低金利で借りることができ、更に信用情報機関にはのらない点もメリットといえます。しかし、返済せずに「借りたお金+利息」が解約返戻金を上回った場合には、保険契約は失効してしまいますのでしっかりとした返済計画を立ててから借入れしましょう。

本来は、このあたりで家計を立て直すべきです。しかし、それでも借金をしなければいけない時は、前述したように家族や専門家に相談しアドバイスを受けながら慎重に返済計画を立てていきましょう。

順序4 銀行から借りる(金利数%~15%)

労働金庫やJA、信用金庫や銀行などは、審査は緩やかではありませんが、金利も比較的低めに設定されています。(必ずしもそうではない場合もあるので確認が必要)高くても15%程度に設定されています。多重債務になっている人は、意外と銀行での借入が無い場合が多く見られます。クレジットカードや信販会社、消費者ローンといった借入れが中心となっていますので、なぜ初めに銀行での借り入れをしなかったのだろうと不思議に思う事が度々あります。

順序5 消費者ローン(金利12%~18%)

最後に消費者ローンです。クレジットカードのキャッシングも含め、カードローン等はもちろん金利も18%と高いのを覚悟しながら、借入枠と金利をしっかり比較検討していきましょう。金利が高い反面、比較的審査が緩くなります。ここまで来ると多重債務や自己破産に近づいたとも言えます。クレジットカードを利用するのであれば、ショッピング枠で翌月一括払いと決めて利用しなければ、甘い罠に引っ掛かってしまいます。

また、数社から借入れがある場合、積極的に繰り上げ返済を行う方がいいのですが、その場合金利の高い所から繰上げ返済するようにしましょう。

家計管理やお金との付き合い方を変えるきっかけにしよう

一時的に家計が困窮することは誰にでもあることでしょう。しかし、なぜそうなったのか、どうすれば家計が上向くのか真剣に考えるきっかけにもなるでしょう。ここで学び、お金との付き合い方を変えなければ、更に借金を繰り返し多重債務や自己破産となり、家族で安定した生活を送る事ができなくなります。

お金の管理は夫婦や家族で行うものです。一人で全てを背負うのではなく、家計に行き詰まりを感じたら、必ずパートナーや家族に相談し、改善できるように努めることが大切です。

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