ソフトバンク債の発行額は4000億円
2014年上半期こそ起債が少なかった個人向け社債でしたが、下半期から発行が徐々に増加してきました。ただし、条件の良い(=利率が相対的に高い)個人向け社債の発行額は少ないことから、好条件の個人向け社債への投資は難しいのが現状です。2014年8月発行のものを見てみると、東海東京フィナンシャル・ホールディングスは償還期限1年、利率0.41%、発行額は25億円、あかつきフィナンシャルグループも償還期限1年、利率1.85%、発行額は10億円に過ぎないのです。
記事を書いている時点で利率は決まっていませんが、東邦瓦斯は償還期限5年、仮条件の利率0.10%~0.50%、発行額は100億円です。東邦瓦斯こそ100億円と発行額はやや多いですが、償還期限が5年で仮条件の利率の中央値が0.30%ですから好条件の投資妙味は薄いと言わざるを得ません。
そんな中、8月29日から募集が開始されるソフトバンク債の発行額は4000億円と多額の起債なので、投資できるチャンスは格段に高いと言えるでしょう。
仮条件の利率中央値は1.25%
ソフトバンク債は償還期限5年、利率は仮条件となっていますが0.95%~1.25%です。2014年5月に起債されたソフトバンク債は償還期限こそ5年でしたが、利率は1.45%ありました。今回の起債は仮条件の利率中央値が1.25%と前回より0.20%低下(中央値をベースにした仮定値)していますが、償還期限5年で1%以上の債券が見当たらない以上、前向きに投資を検討してもいいのではないでしょうか。社債の額面金額は100万円。発行の主幹事会社に野村証券、大和証券、みずほ証券などが指名されています。最終的には、どこの証券会社がどのくらいの取扱額になるのかは定かではありませんが、相対的には主幹事会社の取扱額が多いようですから、主幹事会社に当たってみるべきでしょう。
先に述べたように2014年8月29日から募集開始で、9月11日までが募集期間となっていますが、2014年5月発行のソストバンク債は瞬く間に売れてしまったようです。前回より利率が低下したとはいえ、利率1.0%以上が予想されることから、今回も早期に売り切れは必至。なるべく早め、できれば募集初日に購入するべきでしょう。
個人向け社債は固定金利商品です。今回のソフトバンク債は、利率が前回よりも低下するとはいえ、余程の金利急騰がない限り他の確定利付きの金融商品より収益が劣ることはないはずです。満期償還前に売却することは可能ですが、基本は満期償還まで持ちきるのが原則。5年間寝かせておくことができる投資資金で購入しましょう。