オーストリア/オーストリアの観光

ウィーンの観光スポット 

ウィーン観光には外せないお勧めスポットをハプスブルク家の遺産、キリスト教関連、その他にわけてお伝えします!

ライジンガー 真樹

執筆者:ライジンガー 真樹

オーストリアガイド

皇帝の威光がいまだ息吹くウィーンの街

ヨハン・シュトラウス像

音楽の都と称されるとおり、ウィーンの街のあちこちに音楽家たちの史跡が見られる

かつてハプスブルク帝国の中心だっただけあり、いまだその輝かしい威光が随所に感じられるオーストリアの首都ウィーン。煌びやかな宮廷文化やキリスト教文化はいわずもがな、皇帝に尽くした音楽家たちの足跡、ユーゲントスティルと称される世紀末芸術……。人口約178万人(2014年5月時点)と、一国の首都としては中規模ながら、その圧倒的な見どころの多さに驚く人も多いことでしょう。この記事ではリンク(旧城壁跡)を区切とし、ウィーン定番の観光スポットを3つのエリアに分けて解説していきます。

リンク内

長きにわたり街を守りつづけたウィーンの城壁も、押し寄せる近代化の波の中で取り壊され、のちに環状道路へと姿を変えたものが現在のリンク(「輪」の意)です。このリンク内側にある旧市街地は、ハプスブルク家の残した偉大な遺産の数々が詰まった、観光客必見のエリアとなっています。

リンク内の観光スポット1:
ウィーンのシンボル、シュテファン大聖堂

シュテファン大聖堂

外観はゴシック様式、内部はロマネスク様式のシュテファン大聖堂。1791年にはモーツァルトの葬儀も執り行われた

ウィーンを訪れた人の多くが、真っ先に目にする歴史的建築物のひとつがこのシュテファン大聖堂(シュテファン寺院)です。ゴシック様式のカトリック教会といえば、重厚なデザインと色調が主流であるなか、このシュテファン大聖堂の屋根はなんと極彩色!モザイク画でハプスブルク家の紋章である双頭鷲がダイナミックに描かれたさまは、数ある大聖堂の中でもひときわ光彩を放つ存在といえるでしょう。

大聖堂の南塔は、教会の塔として世界第3位を誇る、高さ136.4m。その途中までは343段に及ぶ螺旋階段で上がることができますが、体力に自信のない人、高所や閉所の苦手な人は、少し気を付けた方が良いでしょう。また財政難の影響で南塔より低く建てられた北塔へは、エレベーターで上がることが出来ます。塔に上ると、街の心臓部からウィーンの森まで見渡すことができるうえ、鉄筋で組まれた一部の足場からは遥か下の地上が透かし見えるので、旅の合間にすがすがしい気分に浸りたい人、高所のスリル感を味わってみたい人などにぴったりのスポットとなっています。(入場料:南塔4ユーロ、北塔5ユーロ) 

大聖堂の地下にあるカタコンベには、ハプスブル家の人々の内臓(心臓を除く)が入った壺と、ペストでなくなった約2000体の遺骨が安置されています。カタコンベは一日数回催されるガイドツアーでのみ見学が可能(5ユーロ)。

<DATA>
■Stephansdom(シュテファン大聖堂)
住所: Stephansplatz 3, A-1010 Wien
アクセス:地下鉄1、3 Stephansplatz駅より徒歩30秒

リンク内の観光スポット2:
ハプスブルク家の居城、ホフブルク王宮

Heldenplatz

ホフブルク王宮敷地内にある新王宮と英雄広場。新王宮の建物内部にも3つの博物館が

後述のシェーンブルン宮殿が皇帝の夏の離宮であったのに対し、ホフブルク王宮は街中に位置し、実際に皇帝が執務に当たっていた居城です。ウィーンを陥落させた後、一時期滞在していたナポレオンの執務室も上階に残されています。巨大な敷地内で見学できるのは、白馬のワルツで有名なスペイン乗馬学校、世界美しいと称される王宮図書館プルンクザールや、神聖ローマ皇帝の帝冠などが展示されている宝物殿、ウィーン少年合唱団の天使の歌声が聴ける王宮礼拝堂、シシィ(皇后エリザベートの愛称)愛用の衣装や小物が飾られたシシィ・ミュージアム、ハプスブルク家の使用していた食器や調理具が間近に見られる銀器コレクションなど、枚挙にいとまがありません。さまざまな観光スポットが凝縮されているため、「ホフブルク王宮」とはそれらの総称に過ぎず、すべて制覇するには存外に時間が掛かるので、興味の対象を絞って観光すると良いでしょう。

<DATA>
Hofburg(ホフブルク王宮)
住所:Hofburg - Innerer Burghof, A-1010, Wien
アクセス:地下鉄3 Herrengasse駅より徒歩3分
開館時間と入場料:施設、季節などにより異なるので、詳細はオフィシャルウェブサイトでご確認ください

リンク内の観光スポット3:
ウィーン国立オペラ座(歌劇場)

Staatsoper

ドイツオペラとイタリアオペラ双方の中心的存在でありつづけたウィーン国立オペラ座。こけら落とし公演ではモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」が上演された

実質上ハプスブルク最後の皇帝、フランツ・ヨーゼフ1世の時代に建設されたウィーンのオペラ座ですが、日本では指揮者の小澤征爾氏が音楽監督をつとめていたことでも極めて有名です。歴代総監督にはグスタフ・マーラーやカラヤンなど錚々たる音楽家が名をつらねており、歌劇場管弦楽団は世界屈指のウィーンフィルハーモニーというゴージャスさ。また世界一有名な「オペラ座の舞踏会」も、このウィーン国立オペラ座が舞台となっています。(関連記事 「ウィーンの舞踏会」

建築物としても観賞に堪えるこのオペラ座では、日本語によるガイドツアーも実施されています。所要時間は約40分で、中央入り口ホール、中央階段、ティーサロン、大理石のホール、シュヴィント・ホール、グスタフ・マーラー・ホール、舞台を望む観客席などを見学したり、建築や歴史にまつわるエピソードを聞くことができます。

Wiener Staatsoper(ウィーン国立オペラ座)
住所:Operngasse 2, A-1010, Wien
アクセス:地下鉄1、2、4 Karlsplatz駅、路面電車1、2、D Oper駅、バス2A Oper駅
※毎年7~8月は夏休みのため、公演はなし。ただしガイドツアーによる内部見学は可能。

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