オーストリア/オーストリアのグルメ・レストラン

オーストリア料理

オーストリアは国土面積が約84.000平方キロメートルと、日本の約5分の1の広さ。しかしその中にも、オーストリア全土で食される普遍的なものから地方色に富んだ郷土料理までと、オーストリア料理はとてもバラエティ豊富です。

ライジンガー 真樹

執筆者:ライジンガー 真樹

オーストリアガイド

オーストリア料理 ~各地方の代表的な郷土料理~

オーストリア料理といえば、フランス料理やイタリア料理など他のヨーロッパ発祥の料理に比べて、日本ではまだまだ馴染みの薄い存在かと思われます。とはいえ、オーストリアは古くから東西南北ヨーロッパを結ぶ交通の要所であり、特に「日の沈むことのない帝国」と称された巨大なハプスブルク帝国統治下では、多様な食文化の融合が進んだため、オーストリア料理にはバラエティ豊かで、食通をもうならせる郷土料理が目白押しです!

ウィーン発祥のオーストリア料理
ヴィーナー・シュニッツェル(仔牛のウィーン風カツレツ)

ウィーン風カツレツ

サクサクに揚げられたウィーン風カツレツ。レモンをしぼって食べると、さらに旨味が増す

何を差し置いても、オーストリア料理の代表選手といえばまずはこれ、ヴィーナー・シュニッツェル(仔牛のウィーン風カツレツ)です! オーストリア料理が日本でそこまで浸透していないとはいえ、こればかりは知っている人も多いのではないでしょうか?

このウィーン風カツレツとは、仔牛肉をミートハンマーで丁寧に叩いて筋肉の繊維を断ち、柔らかくしたうえで、衣をつけて揚げたもの。仔牛のほかに、豚肉が使用されることも。これをオーダーした後に、キッチンから肉をドンドンとハンマーで叩く音が聞こえてきたなら、それはフレッシュな料理が作られている目安にもなります。

ジャガイモサラダ

ウィーン風カツレツをいただく際に欠かせないジャガイモサラダ。魚料理やソーセージなどの付け合わせとしても用いられるほか、パーティーやクリスマスなどのオケージョンにも振る舞われることが多い

このウィーン風カツレツのサイドディッシュには、「ジャガイモのサラダ」が一般的。これは茹でたジャガイモを、玉ねぎやキュウリのみじん切りとともに、酢、油、塩こしょう、マスタードなどで和えたもの。ジャガイモ独特のほのかな甘みが引き立ちながらも、非常にさっぱりとした食べごたえ。揚げ物のウィーン風カツレツにはまさにぴったりの付け合わせといえるでしょう。

ウィーン風カツレツは、オーストリアを代表する郷土料理だけあり、オーストリア国内における街中のレストランはもちろんのこと、軽食を振る舞うカフェなどでも気軽に注文することが可能。とはいえ、サクサクに揚げられた、上質なお肉のカツレツを求めるならば、やはりオーストリア料理を専門に扱う老舗レストランや、以前に「音楽もグルメも観光も! ウィーン欲張り1日プラン」の記事で紹介したウィーン風カツレツ専門店などに赴いた方が確実です。


 

ザルツブルク地方発祥のオーストリア料理
ザルツブルガー・ノッカール

ザルツブルガー・ノッカール

フワフワの食感ながらも、ボリューム満点のザルツブルガー・ノッカール

お次は、夏の音楽祭やモーツァルト誕生の地として名高い、ザルツブルク発祥のオーストリア料理。

ザルツブルク特有の料理といえば、やはり地名を冠したこちらの「ザルツブルガー・ノッカール」が殊に有名です。このザルツブルガー・ノッカールは、17世紀当時、ザルツブルクの領主であった大司教の愛妾サロメ・アルトが、ザルツブルクの雪嶺を模してつくったのが始まりとされています。甘いので、デザートとして食されることが一般的ですが、甘いものをメインディッシュとして頂くことに抵抗感のないオーストリア人は、お食事にしてしまうことも。

作り方は至極簡単で、卵白と砂糖をまぜて角が立つまで泡だてたのち、卵黄、バニラシュガー、小麦粉を加えて大きめの耐熱皿に盛ります。これを表面が黄金色になるまで焼いて、最後に粉砂糖を振りかけるとできあがり。フワフワとした食感ながら、ボリューム満点ですので、2~3人でシェアして食べると良いでしょう。

ザルツブルク街中の大衆居酒屋系レストランや軽食を扱うカフェであれば、大抵メニューに載っているザルツブルガー・ノッカールですが、どうしても食べたい場合はお店に入る前に尋ねてみると良いでしょう。

次はチロル地方発祥のオーストリア料理の紹介です
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