一口に歯科インプラントと言っても様々で、日本国内にはおおよそ80以上のシステムがあると言われています。海外メーカーを含めたらもっと大変な数になるでしょう。

どれも同じと勘違いされている歯科インプラントですが実はそうではありません。それぞれに独自のコンセプトと特徴を持っているのです。正しい知識を持ってもらうために大まかにいくつかのポイントに絞ってまとめてみたいと思います。

デザインの種類

様々な形のインプラント体

様々な形のインプラント体

骨内に埋め込まれるフィクスチャーの形状も様々です。現在はルートフォーム型という歯根の形に似た形状のものが大半ですが、その中にも細かくいろいろ分かれています。

全体がストレートで先端だけが細くなっているもの。全体にテーパー型で角度が付いているもの。

抜歯して数年経過した平らな骨にインプラントを入れるだけでなく、抜歯して間もない時期にインプラントを入れる機会が増えてきましたので、初期固定を取りやすいデザインのものが増えています。その固定を容易にするためのネジ山も、その高さや角度、間隔も異なり、様々な骨質に対応したものがあります。

強固な固定だけを考えるのであればテーパー型ですが、骨に過剰なストレスをかけすぎないように注意も必要になります。骨質には個人差がありますので、状況に合わせたセレクトが重要になります。

材質の種類

インプラントはチタンからはじまりました。アレルギーの可能性が極めて低く、一定の強度があり、生体親和性の高い材料と言えます。最も多く使われているのが純チタンで、純チタンのなかにも様々な種類があります。

更に強度を高めるためにチタン合金を使用しているインプラントシステムもありますが、生体親和性の部分で純チタンと比較してどうかという意見もあります。

海外ではその強度を高めるために、チタンとジルコニアが混在した材料のインプラントも登場してきていますし、生体親和性を追求した、オールジルコニアのインプラントもあります。

表面性状の種類

粗造面の拡大図

粗造面の拡大図

インプラントと歯槽骨との結合は、インプラントの表面構造による影響がとても大きいです。これはそれぞれのインプラントシステムが独自に開発しているので、この表面性状の選択はとても重要になります。

ツルツルの機械研磨面からスタートしたインプラントは、オステオインテグレーション(チタンと骨が結合する事)をより確実にスピーディーにするために現在では様々な方法で粗造面を付与しています。高電圧のスパーク陽極酸化により表面に蛸壺様の小孔を作ったり、低電圧の陽極酸化で微小な突起を付与したりと様々。

現在最も多くのインプラントシステムで採用されているのが、アルミナ粒子をサンドブラスト処理で吹き付けて酸処理を行う表面性状です。それらを更に改良する構造のものが続々と登場しています。

アバットメント連結の種類

2ピースインプラントは、フィクスチャーと言われるボディ部分とクラウンを連結するアバットメントに分かれています。アバットメントの連結機構は大きく分けると“エクスターナルコネクション”と“インターナルコネクション”の2種類があります。

エクスターナルコネクションはボディ部分に六角の凸部があり、それが回転防止の役割をはたしてアバットメントをネジで連結します。

もう1つのインターナルコネクションは、ボディ部分は深く凹んでおり、アバットメントがその凹みに深く入り込みネジで固定されてます。上部クラウンの製作のし易さや、長期使用での緩みや強度の問題など、それぞれに様々な特徴があります。

歯科インプラントに対する正しい知識を……

今回の記事で最も理解してもらいたいことは、歯科インプラントと言っても1つではないということです。今回は、デザイン、材質、表面性状、アバットメント連結の4つのカテゴリーだけの話でしたが、細かな違いは書ききれないほどもっとたくさんあります。

更に同じシステムを使用したとしてもそれを使用する術者による影響が大きいということを忘れないでください。


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