香川県の学校
国立 香川大学 医学部看護学科(三木町)公立 香川県立保健医療大学 保健医療学部看護学科(高松市)
うどん県とも呼ばれる香川県は日本一小さな県です。そこにある学校は国立と公立、それぞれ1校ずつ。両校合わせて年間に40人ほどが保健師になることができます。
県の健康問題で重要なのは、糖尿病対策といわれています。実は香川県、お隣の徳島県と共に糖尿病による死亡率や需要率が非常に高い状況が続いています。その原因が何なのか、ハッキリしたことは解明されていないようですが、うどんが影響している可能性は否定できません。なぜかというと、うどん=炭水化物だからです。
また、野菜の摂取量がとても少ないことも栄養調査から分かっていますし、甘いものが大好きな県民性も、今後の糖尿病対策の課題になっていると思われます。
徳島県
国立 徳島大学 医学部保健学科(徳島市)私立 四国大学 看護学部看護学科(徳島市)
私立 徳島文理大学 保健福祉学部看護学科(徳島市)
徳島県の学校は全て徳島市内にあり、国立1校と私立2校の計3校です。四国では高知と並んで人口の少ない県であり、全国でも40番台ながら、保健師を育成できる人数はとても多いことが読みとれます。徳島県は病院の数がとても多いことも影響しているのかもしれません。
健康問題に目を移すと、香川県の項でも触れているように糖尿病が大きな課題です。香川県のようにうどんを毎日食べるような習慣はないものの、野菜摂取量は香川県と同様のワーストレベルにあります。さらに、甘いものを好む文化も同じです。
愛媛県
国立 愛媛大学 医学部看護学科(東温市)公立 愛媛県立医療技術大学 保健科学部看護学科(砥部町)
国立と公立、それぞれ1校ずつ、計2校の学校で保健師の資格取得が望めます。
健康問題に関しては、四国4県のなかでは優等生に入ると思われます。他の3県が共通している課題が、愛媛県には当てはまらないこともあり、その理由が何なのか、さらに分析を進めていくとおもしろい結果が出ると思われます。
なお、愛媛県は四国のなかで唯一、原子力発電所があります。これは保健師とも密接に関係しており、大規模災害時の保健師活動に、その対策(ヨウ素材の配布)や避難、他県との連携など、充分すぎるほどのシミュレーションが求められます。
高知県
国立 高知大学 医学部看護学科(南国市)公立 高知県立大学 看護学部看護学科(高知市)
私立 高知学園短期大学 地域看護学専攻(高知市)
国立と公立、そして私立、それぞれ1校ずつの計3校があります。私立の高知学園短期大学は1年制の専攻科が保健師教育に当たりますが、定員の20人のうち18名ほどが同学園の看護学科(3年制)からの進学枠なので、外部からの入学は若干名です。看護学科の定員が60人なので、そのうちの18名が保健師課程に進むとの考えで理解してもらえばいいでしょう。
また、高知県立大学は統合と表記していますが、助産師を選択する学生以外全員が保健師教育を受けるという意味です。
高知県の保健師活動の根幹にあるのは、長い間継続してきた「駐在保健婦」活動です。今も県の保健師のなかには駐在経験者が残っていますので、貴重な体験を聞くことができます。
近年とくに課題としてあげられているのは、南海大地震への備えでして、この大地震が実際に起こると、高知県の海岸沿いは大きな打撃を受けることが分かっています。災害時の保健師活動をどうすべきか、県内の保健師は常に意識しています。
定員の数字は学科定員→保健師コースに進める人数(目安)です。高知県立大学は、助産師コースに進む人以外が統合教育となります