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万能レイジングブル登場。ランボルギーニウラカン(2ページ目)

ランボルギーニの次世代を担う“屋台骨”のミッドシップスポーツカー、ウラカン。ナカミを凄まじく進化させた“万能なレイジングブル”に、一般道からサーキットまで、南欧で試乗してきました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

実用からサーキットまで、毎日乗れるスーパーカー

ランボルギーニウラカン

ランボルギーニ初となるデュアルクラッチトランスミッション、7速LDP(ランボルギーニ・ドッピア・フリッツィオーネ)を搭載。ローンチ・コントロールも備わる。ちなみにMTは用意されない

ショー以来となるウラカンのコクピット。見栄え質感が相当に上がった。ブランドとして、“もっと洗練”、“もっと大人”を目指した結果である。それでも、ランボらしさを見失っていないのは、随所にエクステリアと同様のデザイン基本テーマ“ヘキサゴン”(六角形)を多用しているから、だろう。アヴェンタドールもそうだった。

ステアリングホイールのスポーク表面に、ANIMAの赤いスイッチや方向指示器ボタンなどが備わったのも新たな特徴で、そのぶん、パドルシフトが大きくできたため、ガヤルドよりもレバーの操作感が向上した。

エンジンスタートボタンを押す。聞こえてきたのは、大人しめのV10サウンドだった。なんだか物足りなく思ってしまい、ANIMAをスポーツモードに変えて、軽くブリッピングしてみれば、ようやく猛牛キャラが現れた。エグゾーストノートは甲高く、アクセルオフ時の疑似アフターバーン音もド派手だ。
ランボルギーニウラカン

加速時計やジャイロセンサーなどにより車両の挙動を計測するPiattaforma Inerzialeを設置、4WDやESCなどとリアルタイムに繋がり、パフォーマンスを最大限に引き出す

高速道路と一般道では、ストラーダ(一般道)モードでできるだけ両腕への負担を少なくし、気を遣わずクルマまかせに走らせる方が快適で、しかも、結果的に速かったりする。それは、最新スーパーカーの特徴だ。

タウンスピード域での乗り心地が異次元によくなっていて、スポーツセダンレベル。これはマクラーレン12Cとタメを張ると思った。逆に、12Cとは違って、がっちりと路面を掴むような適度な重厚感があるという点で、GT性能はウラカンの方が際立って素晴らしい。テストコースでも試走したが、時速300km/h近い速度域において、アヴェンタドールに勝るとも劣らない安定感をみせつけた。

(置き場所にさえ悩まずにすむのであれば)毎日フツウに乗れてしまうスーパーカーであることは間違いない。では、肝心のスポーツ性能はどうか。ワインディングロードやポールリカール・サーキットで走らせてみた。
ランボルギーニウラカン

ダイナミック・ドライブモード・システムのANIMA(イタリア語で魂を意味する)を採用、ハンドル下部のボタンで操作する

圧巻だったのは、シャシー性能だ。特にスポーツモードが楽しい。フロントの動きは自由自在でリアはしっかり。多少滑らせても電子制御が気持ちよくコントロールしてくれる。4WDのぎこちなさを感じることは皆無で、とにかく、踏んでいける。クルマを信じて、踏んで切って踏めば、速い。正に最新モードのパフォーマンスである。

コルサモードでは、フォーミュラーカーのようにフラットな走りとなり、全てがダイレクトな反応になるため、速く走らせるためにはドライバーの技量を要するし、基本ニュートラルステアに徹するため、楽しみ難い。一般的に走りを楽しむなら、オーバーステアを許す“スポーツ”だ。

実用からサーキットまで。万能なレイジングブルが登場した。
ランボルギーニウラカン

ちなみに車名に付くLP610-4、LPはエンジン設置方向(後方縦置き)、610-4は出力(610hp)と4輪駆動を意味する

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