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【保存版】建築家ピエール・シャローとガラスの家・前(3ページ目)

【石川 尚のWAKUWAKUプレス・レポート】#61 20世紀前半に建築界に革命を起こしたピエール・シャロー(1883~1950)、日本初の回顧展を取材した。正式な建築の勉強はしていないが、デザインの近代化に関与した建築家。保存版の展覧会、全2編でご紹介します。 取材協力:パナソニック 汐留ミュージアム

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

金物職人:ルイ・ダルベと出会いで生まれた家具

シャロー以前のデザインとの違いは、とてもElegance(エレガンス)、つまり優雅で繊細な点。そして「木」に対する思いが強い点。加えて、1923~25年シャローのアイデアを再現出来る出会いとなった金物職人:ルイ・ダルベの存在が大きかった。
まさに「共犯者」と言えるぐらいのモノづくりがそこから始まった。

「修道女」(1923年)という照明器具はその代表作の一つ。

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フロアスタンド「修道女」   ●クリックすると拡大します。

まさに修道女を思わせるフォルム、金属、石、木、羊皮紙、布などの素材を組み合わせた照明器具シリーズ。会場ではスタンド部分が金属、シェードを金属とアラバスター【alabaster】製、これは大理石の一つ、雪花石膏(せつかせつこう)という石材で構成されたタイプが展示されている。
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フロアスタンド「修道女」   ●クリックすると拡大します。
 

スタンド部分は、緩やかにカーブし修道女の衣をイメージし、シェードは明らかに白帽子。近づいてみるとどの角度からも光源(電球)が見えないよう石板を構成している。石板を通した淡い明かりが静寂の時を醸し出している。

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フロアスタンド「修道女」   ●クリックすると拡大します。
 

ルイ・ダルベが円錐形のスタンドを形成するのにかなり苦労したエピソードがある照明器具だ。凛として佇む清楚な美しさがある。

ロアスタンドは支柱を木で製作したタイプの他に、テーブルランプ、ベッドサイドランプの3タイプからなるシリーズの照明器具である。

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四分円形プレートの照明器具   ●クリックすると拡大します。

また1/4形状をつかったテーブルランプも面白い。
石板シェードの角度や高さ調整が可能な機構となっている。シャローのアイデアをダルベが再現するという二人三脚がデザインの近代化を具現化していったのである。
 
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