信用取引には長期投資はタブー
まいど、相場の福の神こと藤本です。信用取引の始め方・勝ち方の連載コラムです。このコラムの目的は、藤本流の半歩先読みの投資手法を学んでいただき、信用取引を上手く使うことによって、半歩先読みの投資戦略を実現化させます。最終目的は、このコラムをお読みの個人投資家が、「50万円」の投資金額で、毎月「5万円」を儲けることの出来るくらいにすることです。藤本流「半歩先読み術」と信用取引を使えば、あなたも勝てる投資家になれます!
今回は、信用取引に長期投資するのはダメであることを解説します。
信用取引の期限は?
信用取引には、「制度信用取引」と「一般信用取引(無期限信用取引)」があります。前回ご説明した通り、「制度信用取引」は6カ月の期限があります。「一般信用取引」は、証券会社によって異なりますが、無期限の会社が多いようです。図は、「制度信用取引」と「一般信用取引」の返済期限のイメージです。
無期限だからといって……
「一般信用取引」の場合、多くの証券会社は無期限です。また「制度信用取引」の場合も、6か月間のある程度長い期限があります。だからと言って、長期間信用取引の建玉を持つのは、おススメしません。何故なら買いの場合は信用金利が、売りの場合は貸株料が保有日数分コストとして掛かるからです。また、株式投資が上手くなるには、実戦での経験を積み重ねることが大事です。長期間建玉を保有するということは、その間はその資金で別の投資は出来なくなり、実戦での経験を積むことが出来ません。
例えば、「50万円」を投資資金としてお持ちの方が、50万円を担保に信用取引を行うと150万円まで投資可能ですが、その150万円の建玉を長期保有してしまうと、その間は全く別の銘柄への投資が出来なくなってしまうのです。
次の取引のために
信用取引を活用すれば、手持ちの投資資金の3倍まで投資可能になります。投資資金が多くなれば、投資出来る銘柄や手法など投資出来ることが多くなり、投資の幅を広げることが出来ます。そこで、まずはコツコツと投資金額を増やすためにも、短期投資での信用取引を実践してみましょう。また、信用取引を行うと現物取引と異なり、金利・貸株料などのコストも増加し、様々なリスクも増えます。特に、信用取引で評価損を抱えてしまうと、その評価損の状況によっては、追証(おいしょう;追加保証金)のリスクが発生してしまいます。また、「制度信用取引」の場合は6カ月の期日もあり、自分の考えるタイミングでないときに、無理やり強制的に決済を迫られる場合があります。
コスト・リスクを低減させるもっともよい方法は、出来る限り投資期間を短くすることです。 多額の投資資金を持ち、経験が豊富な投資家の場合は、中・長期の投資もある程度可能だと思いますが、初心者であればあるほど、短期投資で数多くの経験を積むことをオススメします。
「期日売り」「期日明け」「期日向かい」とは
制度信用取引に6ヶ月の期日があることにより、株式の需給に大きな影響を与えることになります。一般的に株価が高値を付ける近辺で、信用残高も膨らむ傾向にあります。また、信用期日の前営業日までに、信用買いの場合は売り決済または現引を、信用売りの場合は買い決済または現渡しをする必要があります。返済期日の前営業日までに返済されない場合、返済期日の寄付で反対売買による返済が行われます。市場での取引が上場廃止などの理由で翌営業日以降行われず、反対売買による決済が成立しなかった際は、現引などによる決済がされることになります。
「期日売り」の注意点
制度信用取引の返済期限は、6ヶ月間と決まっているため、信用買いの場合、6ヶ月の期日が近づくと決済のための売り(買戻し)が増加することになります。通常は、信用期日まで1ヶ月間を切ると、投資家は信用期日が気になりはじめ「期日売り」が増加するとみられます。
一般的に高値付近で信用買いが膨らむやすい傾向にあるので、高値期日から5ヶ月目~6ヶ月目にかけて「期日売り」が増加する可能性があります。「期日売り」は、上値を抑える要因となります。
信用期日が迫ると、評価損を抱えて粘っていた人も諦めて手仕舞い売りをすることが多いようです。
「期日明け」の注意点
逆に信用残高が膨らんだ時点から6ヶ月間を過ぎると、評価損を抱えた買い建玉の「期日売り」が無くなり、反発局面を迎えることが多いようです。「期日向かい」の注意点
「期日明け」の需給改善を期待して、期日に向かって買いを入れることです。「期日売り」によって、株価が大きく下げたところを狙う戦略です。このように、「制度信用取引」の決済期限が6ヶ月間であることから、様々な株価への影響があります、自らの信用建玉は短期間で決済をおこなってしまい、他の投資家の信用期限を利用して半歩先読みの信用取引を行いましょう。
株価は、「上にも」「下にも」行き過ぎるものです
株式は、本来的な価値よりも上昇局面では行き過ぎ、割高な水準まで買われることが多いです。また、逆に下落局面においても行き過ぎてしまい、割安な水準まで売り込まれることになります。信用取引の期限が6ヶ月であることから、割高な水準から、割安な水準まで株価が大きく振らされることがあれば、大きな投資のチャンスになります。今回のまとめ
・信用取引に長期投資はご法度。
・他の投資家の信用期限に伴う「期日売り」「期日明け」「期日向かい」を上手く活用し、半歩先読みの信用取引の短期投資がおススメ。
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