ついに3ナンバーサイズ。成長は止まらない

ミニクーパー

7年ぶりのモデルチェンジとなるブランドの基幹モデル。まずはクーパー(MT 266万円、AT 280万円)とクーパーS(MT 318万円、AT 332万円)が用意された

自動車が普及しはじめた頃に生まれた“庶民の夢”は、今なお、強力な“ブランド力”をもって、この、自動車成熟の時代にも大いに受け入れられている。

ヨーロッパ大陸ならフォルクスワーゲン・タイプ1=通称かぶと虫やフィアット・チンクェチェント(500)が有名だし、アメリカであればさしずめ“ポニーカー”マスタングあたりだろうか(T型フォードはちょっと前時代過ぎる? )。

残念ながらモータリゼーションの本格化が遅れたぶん、日本車には後世に影響を与えるほど強力な定番モデルが存在しないけれども、たとえばスバル360あたりには、それに近い感覚があるだろう。

クラシック・ミニ

1959年に登場した“クラシック・ミニ”(写真はファイナルエディション)

イギリスでは、ミニだ。天才アレクサンダー・アーノルド・コンスタンティン・イシゴニスの革命的名作。全長3mちょいで4名乗車可能なパッケージングは今なお衝撃的であり、初代ミニを見れば、現代のクルマがいかに“いろんな”装備を、その要不要に関わらず、背負わされていることが分かる。

1959年から2000年まで、実に40年以上に渡って生産された。その事実が、基本設計の素晴らしさを十分に物語っている。言ってみれば、VWのビートル+ゴルフを、フィアットにおける500+パンダを、ミニ1人で演じきってみせたのだから……。

ミニ

2001年に登場した初代モデル。電動ソフトトップをもつコンバーチブルもラインナップする

01年に登場したミニ(R50)は、94年以降、ミニブランドを傘下に収めていたBMWの指揮下で設計されたモデルである。

初代ミニ(クラシック・ミニ)の後継車、というよりも、名前だけを引き継いだ、まったく新しいコンパクトカーだったと考えた方がいい。デザインにはクラシック・ミニのモチーフがいたるところに散りばめられてはいたけれど、全長わずか3m強だったクラシック・ミニに対して、BMWミニは3.6m以上もあり、立派に現代のコンパクトカーサイズになっていたからだ。

ミニ

2006年にモデルチェンジを果たした2代目(R55)。コンバーチブルに加え、クラブマンやクーぺなど派生モデルが続々と登場

そんなBMWミニの2代目となるR55は06年のデビュー。ホイールベース長こそ先代を継承したものの、全長はさらに10cm近くも伸びた。

さらにはクロスオーバーと称して、正真正銘欧州Cセグメントサイズの“ミニ”が出るに及び、“大きなミニ”に首を傾げたマニアも少なくなかった一方で、BMWのヨミは大いに当たってミニブランドの販売台数は躍進。今や、BMWグループの重要な収益源に成長している。
ミニクーパーS

丸形ヘッドライトや六角形グリルなどのデザインアイコンの要素を取り入れつつ、モダンなスタイルに。フロントグリルは縦方向に広げられている。こちらはクーパーS

早くも3代目(6~7年に一度のモデルチェンジ、それでも長い方だけれども、という点だけを見ても、現代における自動車産業の凄まじさが理解できるはず)となった新型では、ホイールベースがさらに3センチ延伸されたのみならず、こんどは車幅までもが広がって、日本市場ではついに3ナンバーサイズに。どさくさに5ドアモデルの登場までアナウンスされたから、ミニの成長はどうにも止まらない、という状況だ。

<歴代ミニのサイズ比較>
クラシック・ミニ(クーパー)L3075×W1440×H1330, WB2035 mm
初代ニューミニ(クーパーS)L3655×W1690×H1455, WB2465 mm
2代目ミニ(クーパーS) L3745×W1685×H1430, WB2465 mm
新型ミニ(クーパーS) L3860×W1725×H1430, WB2495 mm

初代と先代とでは、大きくなったとはいえ、全長だけの話だったので、さほど違いを意識することはなかった。デザイン的には、絵に書いたようなキープコンセプトだったのだ。