感染症

ぎょう虫症の症状・検査・治療(2ページ目)

日本の寄生虫感染の中で、もっとも多い病気で、家族内で感染することが多い病気です。また、集団感染しますので、現在でもぎょう虫の検査が保育園・幼稚園・学校で行われていますが、最近は感染が減っています。このぎょう虫症について説明したいと思います。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

ぎょう虫症の診断と検査

テープ

中にテープが入っています。朝一番に肛門にテープを貼ります

ぎょう虫は腸管内で産卵しないので、便の中に虫卵を見つけることは難しいです。

肛門のかゆみがあるときには検査を行います。検査は肛門周囲に産卵された虫卵を見つけるテープ法が行われ、テープの種類によってスコッチテープ法、セロハンテープ法とも言います。夜間に産卵しますので、朝一番に粘着性のある透明なテープを肛門周囲に強く圧迫して、しっかりと貼り付けます。その後、この粘着性の透明なテープを顕微鏡で見て、虫卵を見つける検査です。トイレの後やお風呂の後では虫卵が落ちてなくなってしまっている可能性がありますので、起きたらすぐにテープを貼ります。

ぎょう虫の治療

ぎょう虫を駆除する薬であるピランテルパモエイト(商品名:コンバントリン)、ピルビニウムパモエイトを1日1回のみ食事に関係なく内服します。副作用は少なく、頭痛・めまい・腹痛・嘔気・嘔吐がまれに見られます。

家族にぎょう虫症があれば、家族内感染を起こしている可能性がありますから、家族内でほぼ同時期に検査して、同時期に治療した方が望ましいです。

ぎょう虫を駆除する薬は卵には効果がありません。肛門周囲にある虫卵で再び感染してしまう可能性を考えると、2週間後にもう1回服薬することがあります。

ぎょう虫の予防

おむつ

おむつを替える後には手洗いを

ぎょう虫は、手や指、爪に付着していることが多く、肛門周囲の痒みで掻くことで皮膚を傷つけます。
  • 爪を切っておくこと
  • トイレの後、食事や調理の前、オシメを替えた後などには、手をよく洗っておくこと
  • 肛門を掻かないようにすること
によって、虫卵を体内に入れないようにしましょう。

ぎょう虫の卵は、日光に弱いので、寝室に日光を取り入れ、ふとんをは天日干しをします。下着はこまめに替えて洗濯して、しっかりと日光のもとで干しましょう。

朝起きてすぐの入浴で、浴槽に入る前にシャワーなどで肛門周囲をよく洗い流しましょう。きょう虫の卵の広がりを少なくする効果の可能性があります。さらに、下着を替えることで、より卵の広がりを少なくすることが可能です。

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