月2万円の通信費、高額であることに気づきにくい理由
藤川太さん
――消費税率の引き上げからそろそろ4か月が経過します。原材料高により、7月にはバターやハムなどの食品類が一斉値上げ。デフレの象徴だったユニクロも初の値上げに踏み切るなど、家計の負担が増しています。
藤川太さん インフレに負けない家計を作るには、収入を増やす手段を探ると同時に、家計の無駄を徹底的に見直す必要があります。実は、収入が少なくて家計が苦しいという人たちのなかには、非常にアンバランスな家計に陥っているケースも少なくありません。“お金がないから”と最低限の生命保険にも加入していないのに、スマホやパソコンなど、通信費には平気で2万円くらいかけていたりする。昔は生命保険が家計の足を引っ張ることが多かったものですが、今は通信費が家計を圧迫しているケースをよく見ます。目先のことしか考えていないから、お金の使い方も行き当たりばったり。これでは、将来的に自分たちの首をしめることになってしまいます。また、通信費など、毎月金融機関の口座から自動的に引き落とされるような費目は、ついほったらかしになりがちです。目に見えづらいため、無駄な出費を生んでいても気づきにくい。それらを定期的に見直す習慣をつけ、不要なものはどんどん削っていく。自分たちの暮らしにとって、本当に必要かどうかをその都度考えることが大切ですね。
――家計にとって最大のコストである住宅費はどうでしょうか?
住宅ローンの考え方は
すでに変動でローンを組んでいる方は、この先どれくらい金利が上がるが気になるところだと思いますが、今の金融緩和が続いているうちは、金利は動かないと思います。少なくてもここ1年くらいは上がらないでしょうね。ですが、いずれは今の超低金利が終わり、少しずつ上がっていくことは間違いありませんから、タイミングを見ながら借り換えも視野に入れていくのがいいと思います。ただ、現在日本はかなりの国債を発行してしますから、大きく金利を上げられる状況ではありません。ですから上がるにしても、その割合は大きくはないと見ていますから、仮に変動を選んでいても、そこまで心配しなくてもいいかもしれません。
★次に、収入が少ない人でもできる資産形成の仕方をおうかがいします
教えてくれたのは…
藤川太さん
ファイナンシャル・プランナー。All About 資産運用ガイド。「家計の見直し相談センター」で10年以上にわたり1万5000世帯を超える家計の見直しを行ってきた。資産運用、家計管理、マイホーム購入、不動産投資などに精通。「普通の人」でもお金を貯める・増やせるようになる方法をアドバイスするFP。
取材・文/西尾英子