JR東海の運輸業は、驚異的な高収益!
もう少し詳しく3社の業績を見ることで、JR東海の強さに迫ってみましょう。JR3社は鉄道事業だけでなく、関連事業も行っています。3社とも、同じような事業の分け方をしていて、運輸事業、流通事業、不動産事業、その他事業に分けることができます。運輸事業は主に鉄道事業、流通事業は駅ナカや駅前の商業施設の運営、不動産事業は駅ビル等の賃貸などです。
下のグラフは、25年3月期におけるJR東日本の運輸業、流通業、不動産業の事業別売上高、営業利益、営業利益率です。
売上高の約70%が運輸業です。やはり、運輸業が一番の収益源です。一方で、営業利益率だと不動産業の利益率がよいです。一般的に不動産は立地がよいほうが価値は高くなりますが、JR3社の不動産事業は、土地を買って、鉄道を敷いて、駅や駅ビルを建設して、駅ビルを賃貸します。つまり、JR3社の保有する不動産は必然的に駅前の土地になるので、必ず立地がよくなります。その結果、不動産事業の利益率は高くなると考えられます。
次に、JR西日本ですが、25年3月期における数値はJR東日本と同じようなグラフです。運輸事業の売上構成は66%で、一番の収益源です。そして、営業利益率が最も高いのは不動産事業です。
最後にJR東海ですが、2社とは少し異なるグラフです。
JR東海は25年3月期における売上高の約78%が運輸事業です。2社と比べると約10ポイントほど高い割合です。そして、不動産業の営業利益率は他の2社と同じく高い営業利益率ですが、それよりも運輸業の営業利益率のほうが高くなっていることが分かります。
つまり、JR東海は運輸事業がとても収益性が高くて儲かっているので、近隣人口や営業キロ数は小さくてもJR3社で最も営業利益が高くなっているといえます。