7月25日に待ちに待ったUbuntuのロングタームサポート版の14.04.1LTS、別名 Trusty Tahrがリリースされました。LTS版は半年更新の普通版と違い、2年ごとのリリースで、5年間セキュリティアップデートなどのサポートが受けられる安定性に重点が置かれたバージョンです。
早速、新しい14.04LTSのレビューをしていきます。
新しい特徴
1.Dashホームの検索範囲の変更
12.04LTSではDash ホームからはパソコン内のファイル又はアプリケーションを検索できましたが、14.04LTSでは検索の範囲がオンラインにまで広がりました。Wikipediaなどからのレファレンス情報に加えて関連する書籍等の検索結果も表示されます。
Dashホーム
検索結果にオンライン情報を含めたくない場合は設定の「セキュリティとプライバシー」の検索タブで「Dashで検索するとき:オンラインの結果を含める」をオフにします。
2.ローカルメニューの復活
12.04LTSでは、スペースの有効利用のためにアプリケーションメニューを各ウィンドウではなく、グローバルメニューとしてデスクトップの一番上に表示する方法が取られていました。今回のアップデートでユーザー自身の選択により各ウィンドウにアプリケーションメニューを表示できるようになりました。Macユーザーには馴染みのある表示でしたが、Windowsユーザーに待望の機能かもしれません。
ローカルメニュー
3.エクスポゼ+フィルタリング
「Super Key + W」のショートカットによる開いているウィンドウの縮小表示機能(エクスポゼ)は以前からありましたが、今回のアップデートで文字入力によるフィルタリングが可能になりました。例えば、Firefoxでインターネットを検索しつつ、複数のテキストファイルとスプレッドシートを開いているとします。開いているウィンドウが多いのでエクスポゼ機能をつかっても、見分けがつかず、ウィンドウの切り替えが難しくなります。そこで、エクスポゼのあとに続けてタイトルやプログラムの名前をタイプするとフィルタリングした結果を表示してくれます。
テキスト入力によるフィルタリング
4.ウィンドウのデザイン変更
以前は開いているウィンドウにはグレーの薄い枠がついているだけだったので、同じ色のウィンドウが複数重なっていると、どのウィンドウが一番上にあるかわかりづらいデザインでした。今回のアップデートで、一番上のウィンドウには陰影が追加されて瞬時に下のウィンドウから見分けがつくようなデザインに変更されました。
12.04 vs 14.04
5.新しいロックスクリーン&ショートカット
以前の「Alt + Ctrl + L」から「Super key(Windows Key) + L」のより簡単にスクリーンをロックできるようにショートカットが変更されました。ロックスクリーンも以前のダイアログボックス形式からデザイン的により統合された画面に変更されました。
ロックスクリーン
その他にもLinuxのカーネル(オペレーティングシステムの中核部分) のアップデートによるより多くのハードウェアのサポートや、ランチャーアイコンのサイズ変更オプションの追加など多数のアップデートがありました。今回の12.04LTSからのアップデートは目を引くようなデザインや機能変更はありませんでしたが、完成度の高いOSに仕上がっていると思います。ぜひ12.04LTS版からのアップグレードをおすすめします。