リフォームならではの補修や取り合い工事が発生する分、工事単価はやや高くなります。ですが、リフォームのメリットはもっとたくさんあるのです。
A:「新築では発生しない作業・工事が必要になるためです。」
リフォームでは、住みながら工事をしたり、あるいはリフォームしない部分との調和を考慮しながら施工する必要があるため、新築ではまず発生することがない作業や工事が必要になるためです。ただし、単価が割高でも工事内容によっては十分リフォームでもメリットがある場合も多いので、じっくり検討しましょう。
リフォームならではの手間と配慮が工事単価を押し上げる
新築工事を主軸業務として施工している業者の多くは「リフォームは手間が多くかかり、工事単価が割高になる」と言います。何も無いところに、あるいは建物を全て壊して更地にし、新しく建物を作っていく作業と、すでにある建物を部分的に丁寧に壊し、必要な補修をしながら仕上げていくリフォームとでは、いろいろな手間暇に差があります。施主が現在の家に住みながらのリフォームの場合、工事で発生するホコリ・ゴミなどの対策として養生(ようじょう)シートを張り巡らす必要がありますが、新築(あるいは建て替え)の場合、そのようなものは最小限度にして、施主への建物引渡しの直前に全体的な清掃を行うことで対応できます。
また、リフォームでは施工しない部分もある訳ですが、リフォームする箇所との仕上がりの調和(これを「取り合い」と言います)を考慮したり、既設建物の傷んでいる部分を補修しながらの施工となるため、新築工事よりも工事の進行状況がゆっくりになる傾向があります。
リフォームならではのメリット、価格優位性にも注目!
一つ一つの工事単価は新築よりもリフォームがかさむということには間違いないのですが、総合的な費用となるとリフォームの方が安価になりますし、リフォームならではのメリットを無視することはできません。まだ十分に住める建物を全部壊して建て替えるには、標準的な戸建て住宅において100万~300万円の大掛かりな解体工事費と廃棄物処理費が発生します。また、建て替え中の仮住まい費用、引越し費用が必要になるので、建物が完全に老朽化していてリフォームが困難であるとか、部分的なリフォームでは住まいに対する要望を満たすことができないという理由がない限り、十分にリフォームを検討すべきであると言えます。
極端な間取り変更や、建物構造に負担を掛ける吹き抜けや広い空間を作るとなると、必要以上に工事費がかさむ場合がありますが、一般的に新築・建て替え費用の70%以内に収まれば大成功と言えるでしょう。
新築のマイホームを建てるということは憧れの夢かもしれませんが、家を購入した後のメンテナンス予算を確保しておくことも重要です。「もったいない」を省き、使えるものはできるだけ使うという発想のリフォームについても、じっくり検討しておくべきなのです。