睡眠中に見られる脳の発達とは?
睡眠中特有の脳の発達がある!
前置きとして、人は生まれてからの数ヶ月で、脳内の神経細胞同士をつなげ、急速に脳を発達させていきます。この連結をシナプスと言いますが、生まれたときは約50兆個しかないシナプスが、生後3ヶ月には1000兆個にまで増えると言われており、この連結作業はその後の様々なスキル発達に影響する脳の発達の大事な部分。
この研究では8人の子供達がそれぞれ、2、3、5歳のときに睡眠中の脳波を測定しました。すると興味深いことが分かったのです。
この研究で分かったのは、
- 右脳、左脳、それぞれの内部の連結は睡眠中は弱まる傾向があった
- 一方、右脳、左脳間の連結部分は睡眠中に強化される傾向があり、年齢が増すごとにより強くなっていった
連結を強めることは、脳内の情報伝達のスピードを上げ、さらには、言語を含む様々な能力の向上につながると言われています。
寝ることがなぜ脳の発達を促すのかについてはまだ未解明の部分もありますが、睡眠が脳の発達に良い影響を及ぼすのは事実。今回の研究は、「寝る子は育つ」をデータとして証明した形となります。
>次ページでは、子供に必要とされる睡眠時間を年齢別にご紹介します。
*出典:Brain Sciences(2013)「Development of Brain EEG Connectivity across Early Childhood: Does Sleep Play a Role?」より