相続・相続税/相続・相続税の基礎知識

相続人に「成年被後見人」がいると相続税が安くなる

相続人が認知症などの場合は、成年後見制度を利用して遺産分割をすることになります。成年後見制度は利用手続きなどに手間がかかる反面、相続税が安くなるというメリットもあります。

小野 修

執筆者:小野 修

相続・相続税ガイド

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成年後見制度を利用すると相続税が安くなる理由

成年被後見人なら特別障害者の控除が受けられる

成年被後見人なら特別障害者の控除が受けられる

相続が発生し、遺産分割が必要な際、配偶者が認知症で遺産分割協議ができないこともあります。この場合は成年後見制度を利用して遺産分割協議をすることになります。

手間はかかりますが、反面、相続人が成年被後見人になった場合は相続税が安くなるというメリットもあります。

相続税が安くなる理由、それは「障害者控除の適用が受けられる」ことにあります。これは平成26年3月14日、東京国税局が「成年被後見人は相続税の特別障害者の控除が適用できる」旨の回答を公表したため。これにより、相続人が障害者でなくとも成年被後見人であれば、相続税の「特別障害者の控除」が適用されることになります。

相続税はどれくらい安くなるの?

特別障害者の控除金額は以下の通りです。

・平成26年までに相続開始 85歳になるまでの1年につき12万円
・平成27年以降に相続開始 85歳になるまでの1年につき20万円

例えば、成年被後見人となった相続人が相続開始時点で75歳だと、平成26年までの相続では120万円(12万円×10年)、平成27年以降の相続では200万円(20万円×10年)が控除できるわけです。

成年被後見人が配偶者でもメリットは同じ?

相続人が認知症で成年後見制度を利用するケースでは、相続人が配偶者であることが多いと思います。配偶者は障害者控除とは別に配偶者控除(配偶者 に対する相続税額の軽減)という措置があるため、実際には納税をしないことが多く、せっかくの特別障害者の控除が無駄になってしまうのかという疑問が生じるでしょう。

しかし、成年被後見人の納税が0円であったり、納税額から引き切れなかったりして残った控除は、他の相続人(その成年被後見人の扶養義務者)の税額から控除することができます。

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