持ち歩くことが大袈裟にならないドキュメントスキャナ登場
PFUの「ScanSnap」シリーズは、ドキュメントスキャナ、つまり書類などの紙を確実に素早くスキャンしてデジタル化してくれるツールです。何となく、書籍のデジタル化専用機のようなイメージがあったりしますが、それは「ScanSnap」の利用方法の1つに過ぎません。その本質は、紙のデジタル化を「簡単に、楽に、スピーディーに」行えるハードウェアと、それを支える分かりやすく操作性の良いソフトウェアの両方による紙とデジタルの間を繋ぐ事にあります。これは、使い慣れないとなかなか分かってもらい難いのですが、例えば自分の部屋の机で書いたメモをデジタル化したい場合、スマホ対応のメモを使ってスマホで撮影するよりも、ScanSnapでスキャンする方が、確実に速くてキレイなのです。スマホを使う場合、メモを書く→スマホでアプリを起動→メモを撮影するための場所の確保と光の確保→撮影→確認→保存、という6つの手順が必要ですが、ScanSnapだと、メモを書く→ScanSnapの蓋を開ける→メモをトレイに乗せる→スキャンボタンを押す→保存という5つの手順で済みます。しかも、スキャン結果は数倍どころか数十倍キレイです。
この、スムーズなスキャンが、どこででも、ケーブル1本も必要とせずに行えるのが、PFU「ScanSnap iX100」です。しかも、この製品は、iPhoneなどのスマートフォンや、iPadなどのタブレットから直接スキャンが可能。つまり、カバンの中に「iX100」を入れておけば、それだけで、いつでもどこでも、紙資料をデジタル化出来るわけです。しかもサイズは、折畳み傘程度。ガイド納富は、このところ外出時には必ず「iX100」を携帯していますが、特に荷物になると感じることはありません。
「ScanSnapiX100」があれば大きなカバンが不要になる
従来の「ScanSnap S1100」に、バッテリーと無線機能(wifi接続)を搭載して、スマホやタブレットからでも直接スキャン出来るようにした、と言えば、大して大きな変化には感じられないかも知れません。しかし、実際に使ってみると、その違いというか、バッテリー搭載で無線でiPadからスキャン出来るということの、凄まじいほどの変化の大きさに気がつくと思います。まず、その大きな違いは、A4ファイルが入るサイズのカバンを持ち歩く必要がなくなるということです。何故、ビジネス用のカバンが男女問わず大きいかというと、A4サイズの書類を折らずに持ち歩く必要があったからです。また、折らずにファイルした状態で持ち歩く方が、外出先での出し入れや参照が楽だからです。そこで「iX100」があれば、書類を貰ったら、その場でiX100のトレイを開く→iPhoneアプリを起動→書類をiX100にセット→スキャンボタンを押す→保存、で、書類はデジタル化されます。デジタル化された書類は、当たり前ですが折れ曲がることもありませんし、すぐに参照出来ますし、そのまま、クラウドサービスなどを介して共有したり、バックアップを取ることも出来てしまいます。
サイズは、A4の短い辺よりも少しだけ大きなスティック状ですから、A5サイズより一回り大きい程度のカバンに収納可能。iPad miniなどの7インチクラスのタブレットと一緒に持ち歩けば、とてもコンパクトなカバンで済みます。スキャナを持ち歩くと考えると大袈裟ですが、書類を持ち帰る手間がなくなると考えると、それは大幅な荷物の軽減になるはずです。実際、ガイド納富はおもちゃショーなどの展示会の取材に、iX100を持って行くのですが、そこで頂くカタログ類を、プレスルームなどでまとめてスキャンしています。もちろん、本の形になっている総合カタログなどはデジタル化に断裁機が必要なので持ち帰りますが、それ以外のカタログ類は、全てスキャンします。ノートパソコンも要らなければ、電源も要らないので、プレスルームの机の隅で、さっさと作業が進められるのも助かります。
簡易版「非破壊型スキャナ」でもある
さらに、この「iX100」の場合、iX500などの上位機種より優れた点が他にもあります。これは「S1100」でも出来るのですが、A3サイズの紙を2つ折りにしたカタログや、中綴じの20ページ程度の小冊子なら、そのままスキャンすることが出来るのです。上位機種で、それらの紙をスキャンする場合、「キャリアシート」と呼ばれる透明のシートに紙を挟んで読み込ませる必要があるのですが、「iX100」と「S1100」の場合は、直接読み込ませても、問題なくスキャンしてくれます。展示会で貰うカタログは、多くが2つ折り、4つ折りのものですし、薄い中綴じのものも多いのですが、それらを、どんどんスキャン出来るので、さらに持ち帰る荷物が減るわけです。そして、帰宅する電車の中で資料が確認出来るので、帰宅までに資料の整理がほぼ終わっています。これは、今まで出来なかったことです。この、多少厚みのあるモノ、折ってあるモノ、綴じてあるモノもスキャン出来るというのは、iX500には出来ない、いくつかのスキャンを可能にします。例えば、CDに付いているブックレット。あれは、通常、中綴じで16ページ程度、または、長い紙を折り込んで作られています。なので、そのまま、切ることなくページ順に読み込んでいくことが出来るわけです。同じように、薄手のパンフレットなどでも、留めてあるホッチキスを外すだけで、後はページ順に1ページずつスキャンしていきます。必要なら、スキャン後に、またホッチキスで留めれば、元のブックレットの状態に戻すことが出来ます。ホッチキスがフラットクリンチタイプで、平たく留めてあれば、ホッチキスの針を外さずに読み込むことも可能ですが、万が一ヘッドに傷を付けてしまうと大変なので、やはり、針は外して読み込む方が良いでしょう。あ、針外し用に、サンスター文具の「はりとるプロ」などを用意しておくのも良いですね。
他にも、名刺やレシートを、前の1枚のスキャンが終わる前にどんどん差し込んで読み込ませていける機能や、かなり長い紙をそのまま読み込ませられる機能、細い物もクレジットカードなどのプラスチック製の厚みがあるカードも読み込ませられる機能など、据置タイプのスキャナにはない機能も満載。しかも、それらの機能が、特に考えたり設定したりすることなく、ただ紙を差し込んで、スキャンボタンを押すだけで出来てしまうというのが嬉しいところです。大体のことは説明書など見なくても出来てしまうので、先に書いたような便利な機能があることをうっかり見逃さないように注意してください。
ガイド納富の「こだわりチェック」
例えば雑誌などをスキャンする時、通常のページはiX500などでガンガン取り込めば良いのですが、折り込みページに困ることがあります。そういう場合は、折り込みページだけは「iX100」でスキャンするようにすると、雑誌類のデジタル化が一気に進みます。見開きページを自動的に合成して、1枚のページとして保存してくれる機能も搭載しています。また、片面スキャン機ですが、一度スキャンボタンを押してスキャンを始めると、次にスキャンボタンを押すまでは、スキャナに紙を差し込むだけで、次々とスキャンしてくれます。これが、読み込ませたい量が多い時に、とても助かるのです。小さいことがハンディになっていないんですね。もっとも両面スキャンは出来ませんし、スキャンスピードもA4カラー片面で5.2秒と、このクラスでは世界最速ですがScanSnapシリーズの中では遅いので、書籍のデジタル化のような、大量の紙を一気にスキャンするといった用途には向きません。それでも、バッテリーは満充電で約260枚スキャン出来るので、展示会などのカタログを読み込むのには十分。もしバッテリーが切れても、USB給電タイプなので、iPadなどの予備バッテリーで動かすことも出来ます。だから、安心して、どこででも、その気になれば公園のベンチでもスキャン出来ます。
書類と名刺を一まとめにPDFにするとか、多くの資料から必要な分だけを抜き出すとか、その場に1枚しかない写真を、その場で読み込んでクラウド経由でみんなに配るとか、破れてしまった書類を、紙片単位で読み込んで、デジタル上で修復するとか、紙でも残しておきたい大事なパンフレットを破壊せずにデジタル化するとか、観光地の案内図をその場でiPadに取り込んで拡大して見るとか、とにかく持ち歩いてみると、その利用範囲の広さと、思わぬ用途に驚きます。スキャナを持ち歩く、というと大仰ですが、それは持ち歩いて使えるスキャナが今までなかったというだけのこと。iX100の凄さは、実は、その「今までに無かった環境を持ち歩ける」という部分にあります。その新しさを是非、体感して欲しいと思うのです。ほんと、ビックリしますよ。
<関連リンク>
・PFUの「iX100」のページはこちら
・PFUの「S1100」を紹介したガイド納富の記事はこちら