「ラクサ」ってどんな料理?ラクサの定義
ペナンのラクサ専門店。寸胴でグツグツ煮込んだ魚系のスープと中太麺をあわせてて提供する
多様なラクサは、地方ごとに特徴があります。日本のラーメンが、九州はとんこつ、北海道は味噌というように味が異なるのと同じで、港町のペナンは魚のだし、ボルネオ島は特産物のコショウを加えるなど、その地方ならでは食材を使った作られています。土地の風土や食文化、その土地で暮らす人々の嗜好を1杯に凝縮した麺、それがラクサなのです。
ラクサの種類
コタバルやトレンガヌ地方のラクサといえば「ラクサム」。魚とココナッツミルクの甘いだしの麺
どのラクサも、その土地ならでのはハーブやスパイス、食材をふんだんに使い、非常に手間のかかる料理です。なので、他の土地ではなかなか作れません。たとえば、ペナンのアッサムラクサ。とても人気のある料理なので、首都クアラルンプールでも提供している店はあります。ただ残念ながら味はイマイチ。ペナンで食べるのとは全然違います。ときどき「KLでアッサムラクサを食べたらマズくて」という方がいらっしゃいますが、そのとおり。ご当地ラクサはその土地で食べる。これ、鉄則です。
それでは、クアラルンプール、ペナン、マラッカ、サラワクの名物ラクサを紹介しましょう。
クアラルンプール地域のカレーラクサ
カレーラクサ。食べていると、ジワ~ッと汗が出てくる濃厚なカレー麺。ボリュームあり
ペナン州のアッサムラクサ
アッサムラクサ。2011年、アメリカのメディア「CNN」が発表したランキングで世界第7位のグルメと評された
そしてもうひとつ、アッサムラクサを印象づける調味料が、真っ黒な海老の発酵ソース(写真では青いレンゲの上にのっているもの)です。これが、まぁ、ドリアンのごとき強烈な匂い! この海老ソースこそ、アッサムラクサを世界7位のグルメにした立役者なのですが、とにかく個性が強いので、初めて食べたときは体が震えました。一度食べたら忘れられないラクサです。
マラッカ州のニョニャラクサ
ニョニャラクサ。辛さひかえめのココナッツ系のカレースープ。柑橘系の果物をギュッとしぼって酸味を加える
ラクサの名前である「ニョニャ」とは、マラッカとペナンの2つの都市で育まれた食文化のこと。ただ、ペナンはアッサムラクサが根付いてしまったからでしょうか、ニョニャラクサが食べられるのはマラッカのみです。
サラワク州のサラワクラクサ
サラワクラクサ。スープには30種ほどのスパイスが入っていて、特徴的なのは黒胡椒と山椒。辛さはマイルドで、香りがとてもいい
サラワクラクサは、屋台によっていろんな味があり、マイルドなカレー味や鶏スープを使った透明スープなど様々。麺の基本はビーフンですが、、卵麺、細めのクイテオなどもリクエストができます。サラワク名物の黒コショウに山椒の香りがどーんと効いているのが特徴で、私が以前食べたクチンのお店ではスープの表面を黒コショウがたっぷり覆っていました。後味さっぱりで、また食べたくなるラクサです。
ちなみに、日本に輸入されている黒胡椒の60%は、ここマレーシア・サラワク産の胡椒です。
ケダ州のラクサケダ
ラクサケダ。ケダ州の名物ラクサ。白い麺は、米粉とタピオカ粉が材料で、つるっとした喉ごしに、やわらかな弾力がある
ジョホール州のジョホールラクサ
ジョホール州出身のマレーシア人が手作りしてくれたジョホール・ラクサ。辛味の強い唐辛子ソースを少しずつ混ぜながら食べるのが美味!
家でラクサを作ってみよう!ニョニャラクサのレシピ
ラクサのなかでも人気のニョニャラクサ。日本でもマレーシア産のラクサペーストが販売されているので、これを使えば、簡単に現地の味が楽しめます。具は、海老やゆで鶏、ゆで卵のかわりに錦糸卵をのせてもおいしい。
- 鶏手羽元 6本
- じゃがいも 2個 ひと口大に切ってレンジで火を通す
- 玉ねぎ 1/2個 スライス
- ココナッツミルク 270ml
- 水 380cc
- AYAMブランド「ニョニャカレーペースト」 100g
- 砂糖 小さじ1
- 塩 小さじ1
- ライム汁 大さじ1.5
- サラダ油 大さじ1
- サラダ油を熱し、スライスした玉ねぎを炒め、しんなりしたらカレーペーストを入れ、弱火で香りがたつまで炒める。
- 鶏手羽元を入れて、1を全体にからめながら炒める。
- ココナッツミルク、水を入れて、10分ほど煮る。
- じゃがいも加えて、砂糖、塩、ライム汁で味をととのえる。
マレーシアのラクサ、とっても奥が深いんです。ぜひラクサ(LAKSA)を見かけたら、その土地の食文化に思いを馳せつつ、ゆっくり味わってみてください。