ご挨拶
まいど、相場の福の神こと藤本です。信用取引の始め方・勝ち方の連載コラムです。このコラムの目的は、藤本流の半歩先読みの投資手法を学んでいただき、信用取引を上手く使うことによって、半歩先読みの投資戦略を実現化させます。最終目的は、このコラムをお読みの個人投資家が、「50万円」の投資金額で、毎月「5万円」の収益を得ることが出来るくらいにすることです。藤本流「半歩先読み術」と信用取引を使えば、あなたも勝てる投資家に!
第4回目は、信用「買い」で勝つには?です。
信用買いとは?
信用買いとは、証券会社にお金を借りて、株式を購入することです。お金を借りる際には、担保を入れます。担保は現金または、現物株式です。担保の額は、証券会社によって定められた委託保証金率によって決まります。例えば、藤本の所属するSBI証券では、33%なので信用買いした約定代金の3分の1の担保が必要です。逆に言えば、担保にした現金(委託保証金と言います)の3倍まで買うことが出来るという訳です。
50万円の現金を担保にした場合、その3倍の150万円まで信用買いすることが出来ます。
信用買いで投資できる銘柄が広がる
株式には、取引単位があり、現在は原則すべて100株または1000株単位です。銘柄ごとに決められていますので、最低投資金額=株価×100(または、1000)になります。
投資金額50万円の場合は、
現物取引の場合 約定金額50万円まで(手数料など考慮せず)
信用取引の場合 約定金額150万円まで
買うことが可能です。
この違いは、銘柄選択に非常に大きな影響を与えるのです。
2014年5月21日現在、日本の株式市場で購入可能な株式は、3546銘柄あります。このうち最低投資金額が50万円以下の銘柄は、全体の約90%の3207銘柄です。150万円以下の銘柄は、全体の約99%の3512銘柄です。
逆に言えば、投資金額50万円の場合、全体の約10%の銘柄は、単位株では投資出来ないことになります。
具体的には、通信大手のソフトバンクやKDDI、NTT、時価総額NO.1のトヨタ自動車、3DSの任天堂、警備会社のセコムなど、個人投資家の人気の高い主力銘柄が買えないことになるのです。
それが、信用取引を使うと全体の約99%の銘柄が購入可能です。先ほど取り上げた銘柄はすべて取引できるのです。
信用取引を使えば、少ない投資金額でも格段に投資できる銘柄数は多くなるのです。
例えば、スマホゲーム「モンスターストライク」の大ヒットで2014年5月に株価が急上昇したミクシィ(<2121> 東証1部)の場合、投資金額50万円では、下記のチャートでは、○印のタイミングでしか、現物取引では、買うチャンスが無いことになります。信用取引であれば、この期間中ずっと買うチャンスはあります。(逆に×印の10000円超で買って高値掴みになる可能性もあるのですが)
どの銘柄が株価上昇するか判りません。せっかく株価が上昇しそうだと思う銘柄を見つけたのに、最低投資金額の制約によって買えないのは非常に残念です。信用取引を活用すれば、その残念が多くの場合、無くなるのです。
「信用買い」で買える買株数が増える
最低投資金額が小さい銘柄についても、大きな影響があります。それは、信用取引を活用すれば、買える株数が増えるのです。それでは、実際の例について見てみましょう。
例えば、日本マクドナルドホールディングス(<2702> 東証JASDAQ)で、非常にうまく売買が出来た例として、○印の2631円で買って、□印の2897円で売った場合、
投資金額50万円では
現物取引では、100株しか買えません。そのときの約定金額は
2631円×100株=26万3100円です。
信用取引の場合、担保にした50万円の3倍の150万円まで買えるので、
150万円÷2631=570株 しかし単位株が100株なので、購入できるのは500株になります。その時の約定金額は
2631×500=1315500円になります。
信用買いだと、利益は現物の約4.8倍にも!
先ほど場合で、どれだけ利益を得ることができたのか、現物取引と信用取引で比較してみましょう。手数料・金利などは証券会社によって異なりますが、今回はSBI証券のスタンダードプランで計算してみました。現物取引の場合は、
3月24日 2631円で100株購入、
受渡し金額は、
2631円×100+手数料293円=263393円
5月12日 2,897円で100株売却
2897×100-手数料293円=289407円
利益は
289407-263,393=26014円 です。
信用取引の場合は、
3月24日 2631円で500株購入
受渡し金額は、
2631×500+手数料388円=1315888円
5月12日 2,897円で500株売却
2897円×500-手数料388円=1448112円
信用買いの場合、手数料に加えて金利や管理費、権利処理手数料が掛かります。
3月24日から5月12日までは、ちょうど50日間なので、保有日数は50日です。
金利の計算式は 約定代金×金利×保有日数÷365日
2,631×500×3.09%×50日÷365日=5568円
建玉に対する管理費は、新規約定日より1ヶ月目ごとの応当日を経過する都度、1株につき10銭(税込10.8銭)の割合で発生いたします。
今回は、2ヶ月未満なので、
500株×10.8銭=54円
権利処理費用は、売買単位あたり50円(税込54円)が必要となります。
※権利確定日をまたいで買建玉を保有した場合に発生します。
今回は、権利確定日をまたいでないので、0円です。
信用取引の利益は、
売却受渡金額1448112円-購入受渡金額1315888円-金利5568円-管理費54円-権利処理費用0円=126602円
結局 利益は
現物取引 26014円
信用取引 126602円
となり、信用取引では、現物取引の約4.8倍となりました。
現物取引に対して、信用取引のほうが金利などのコストが発生しますが、レバレッジ(てこ)を効かせて取引を行ったので、コストを引いても約4.8倍の利益になりました。(なお、今回のシミュレーションでは税金を考慮していません)
以上のことから、うまく売買できたときは、信用買いを行ったほうが、現物買いより大きな利益を得られることがご理解いただけたと思います。当然、逆のパターンで、下手に売買して損失となったときは、信用買いを行ったほうが、現物買いより大きな損失を受けることになります。
今回のまとめ
・信用買いを活用すれば、少ない投資金額でも投資可能な銘柄数が増える。・投資金額50万円の場合、信用買いでは全銘柄の約99%の銘柄が取引可能
・信用買いを活用すれば、買える株数が増え、うまく儲かった場合は、現物の何倍も利益が増加する。
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