相続・相続税/生前贈与・贈与税の基礎知識

生前贈与で相続対策は万全のつもりが…思わぬ落とし穴

相続対策としてよく活用される「生前贈与」。しかし相続後、「過去の贈与が無効」だと税務署から指摘され、相続対策をしていないのと同じ結果になってしまうことがあります。贈与であるとしっかり説明できるよう対処しておくことが大切です。

小野 修

執筆者:小野 修

相続・相続税ガイド

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生前贈与を認めてもらえないことがある!?

将来の相続対策や相続税の節税対策として、生前贈与を活用することは多いでしょう。ただ、自分では贈与をしたつもりでも、相続後に税務署から過去の贈与を「これは贈与ではない」と指摘されることがあります。これでは相続対策をしていないことと同じ結果になってしまいます。

今回は、生前贈与をしたつもりが認めてもらえなかった主なケースと、その予防策をいくつかご紹介します。

なぜ「生前贈与ではない」と言われるのか

相続対策の贈与が認められないことも

相続対策の贈与が認められないことも

生前贈与をするのは、将来の相続税の節税が目的であることが大半でしょう。税務署にしてみれば相続税が少なくなることですから、容易には認めたくないところです。

贈与したことにしておいて実際は贈与していない(財産を渡していない)のであれば、税務署は贈与を認めず相続税として徴収できます。ですから税務署に対してしっかりと贈与を説明できるようにしておく必要があるのです。

税務署に生前贈与だと納得してもらうには?

贈与を説明できない理由はズバリ「曖昧」だからです。これをしっかりと説明できるようにすれば良いのです。

原則として、贈与は財産をあげる人(贈与者)と財産をもらう人(受贈者)との間で、「あげます」「もらいます」「財産を渡す」の3つが揃ってはじめて認められます。 つまり、この3つを証拠として残しておけばいいのです。

具体的には、以下のような方法があります。
  • 贈与は口頭でも契約できるが、書面(贈与契約書など)を作成することが望ましい。
  • 現金110万円の贈与が最も多いが、これも書面があるとなお良い。
  • 後から作った書面と言われないよう、作成時に公証役場で確定日付を付与してもらうと更に良い。
  • 不動産の贈与は書面だけでなく登記(名義変更)が必須。
  • 贈与税の申告と納税をする。そのためにあえて111万円を贈与して申告と納税をする人も多い。

税務署に「贈与でない」と指摘されるのはどんなケース? 次のページで見てみましょう>>
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