気になるあの人にお金突撃インタビュー/お金の女神マダム・ホーさんの幸せなお金持ちになる鉄則

あなたの老後資金、3000万円で足りますか?

誰もが気になる老後のお金。公的年金は先行き不安だし、収入も増えそうもない――。高まる老後のお金不安をどう乗り越えるか。アメリカの例を交えながら、マダム・ホーさんが提言します。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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老後のお金をどう考えるか

幸せなお金持ちになる方法をお金の女神が伝授!

幸せなお金持ちになる方法をお金の女神が伝授!

アメリカ在住の日本人であり、米国で多くの不動産投資と会社経営をするマダム・ホーさん。夢を抱いて10代で単身渡米、その後、華僑の夫と結婚し、二人三脚で富をつくりあげてきた本物の国際派ミリオネアが、“幸せなお金持ち”になるための方法を教えます――。(第6回目インタビューから続きます)

マダム・ホー
 実は先日、日本の総務省が発表した家計調査報告のデータを見て、驚いたんです。2013年の2人以上の世帯の貯蓄現在高(平均値)は1739万円で、中央値は1023万円。2012年と比較すると、81万円の増加とありました。年齢別のデータではないので、一概にはいえませんが、この金額では、ある程度のレベルの老後を過ごすには到底足りません。

これはアメリカの例になりますが、先日ある経済番組で「定年後に必要なお金は約1億円」と算出していました。そして、かねてから私が提唱している老後資金も、約1億円です。老人世帯は若い頃のようにお金がかかりませんし、住宅ローンもおそらく払い終えていますから、年間300万円あれば生活できるでしょう。老後を30年と考えれば、300万円×30=9000万円。そこに、物価上昇分を加味し、1億円が必要だというざっくりした計算です。

ただし日本では、“公的年金などで足りない分を準備する”のが、老後資金の考え方のようですから、1億円という金額は必要ないかもしれません。ですが、先日発表されたデータの金額では、やはり足りません。そして、今後は従来の試算以上にお金がかかるかもしれないということを念頭に置かなければいけないと思うのです。

―― 一般的に、「老後に必要な額は約3000万円」といわれていますね。

マダム・ホー その金額で本当に足りるのか、もう一度計算し直す必要があると思います。なぜなら、年金はご存知の通り、日米ともに財源が枯渇してきていますから、予定通りもらえるとは到底思えません。

現に、もらえるお金が減ったり、支給年齢が引き上げられるなど、状況は刻々と変わってきています。そして、世の中の変化にも対応しないといけない。これまではデフレが続いていましたから、「老後資金3000万円」で事足りたかもしれませんが、物価上昇や税率アップなど、不確定な要素が多い。そうなると、これまでよりも多めに見積もっておく必要があると思うんです。雇用も、65歳まで定年が伸びているとはいうものの、現実問題として、その前に肩たたきにあったり、給与水準が減るケースも少なくないと思います。

――雇用が伸びたことで、受給年齢が「75歳選択制」という議論も出始めています。

マダム・ホー
 でも、仮に65歳まで働けなかった場合は、年金が貰えるまでの間、貯蓄を切り崩しながら生活しないといけません。実際、“離職してから受給期間までの間が一番貧しい”などという話もよく聞かれます。“企業年金があるから大丈夫”という人も、JALのようなケースもありますから、今後は大企業でも安心してはいられない。すべて“予定通りに貰えればラッキー”くらいに思って、最悪のケースを想定しておいたほうがいいでしょうね。備えに対する意識を今から高めておく必要があると思います。

――どれくらいの金額を準備しておけばいいのでしょうか?

マダム・ホー
 どのような老後を過ごしたいかによって、もちろん必要な額は違ってきます。先日のアメリカの経済番組によると、不自由のない老後をおくりたいなら、定年前の手取り年収の85%が必要とのこと。アメリカの場合、例えば、1ドル100円で計算した場合、年収1000万円の人なら税引き後の手取りは820万円ですから、その85%となると約700万円。手取りの85%として、ご自分のケースに当てはめてみてはいかかでしょうか。

アメリカでは、定年後も現役時代と同じようなライフスタイルを維持できる人たちは、わずか10%程度です。次の10%は、子どもや親戚に生活費を援助してもらってようやくライフスタイルを維持できる人々。そして、残りの80%は、定年前より貧しい生活を強いられるというデータがあります。そして、国からもらう年金は、だいたい生活費の約3~4割程度といわれますから、残りの6~7割を自分で蓄えておく必要があるわけです。

「リバースモーゲージ」を活用して年金代わりにする

――前回、副業の話のなかで、「アメリカは個人が資産づくりをしやすい土壌がある」と伺いました。

マダム・ホー “国に面倒を見てもらうより、可能な限り、自分たちでどうにかして欲しい。そのために国は規制緩和や税制でサポートする”というのが、アメリカ政府のスタンスだと思います。投資や起業によって税的メリットが得られるという話は前回しましたが、それだけでなく、住宅ローンの金利支払い分も所得税から控除ができるんですね。

ですから、現役で働いている間に、持ち家に加え、もう1軒家を持ち、それを貸して家賃収入を得たり、運用する人も少なくありません。また、リタイア後は家を担保に銀行などからお金を毎月もらって年金代わりにする「リバースモーゲージ」という制度を利用する人たちもいます。死亡した時点で自宅を処分し、一括返済する。いわば、住宅ローンの逆バージョンといえますね。

――日本でも、「リバースモーゲージ」は知られてきていますが、一般的な認知度はまだまだ低いようです。

マダム・ホー 高齢化社会が進んでいますから、今後は日本でも普及してくるのではないでしょうか。不動産はあるけれど老後資金が足りないという人には有効な制度だと思います。ただし、土地に対しての不動産評価になるので、マンションには適応されないケースがほとんどです。また、土地の評価額に対して融資を行うため、ある程度地価の高い地域に不動産を持っている人に限られること、不動産価格が大きく下落した場合は担保割れしてしまうなどのリスクもあります。詳しい条件や内容などは、取扱い機関によって違うので、興味のある人は調べてみたり、一度専門家にご相談なさることをおすすめします。

★次はお金年齢を上げる方法についてインタビューします

マダム・ホーさんプロフィール
インターナショナルスクールを経て、16歳で単身アメリカ留学。名門南カリフォルニア大学(USC)とUCLAの両大学院修了。父の介護で失業したのがきっかけでビジネスの世界に入り、コーラも買えない貧乏時代から29歳で最初の1億を作る。著述活動を通じて日本人のお金のIQを上げ、日本人ミリオネアを輩出することに生きがいを感じている。2008年にだした「世界一愚かなお金持ち、日本人」は8万部のベストセラー。その後7か国で出版。現在は母校USCの顧問をつとめ、昨年は才能ある若者を支援するために奨学金を作った。「お金の女神」としてメディアでも人気を集める。毎日2回、ツイッターで幸せなお金持ちになるハピネスメッセージを配信中。www.twitter.com/madamho 公式サイトmadamho.com

取材・文/西尾英子

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