今年は日本人メジャー投手の“当たり年”
開幕前、メディアの多くはア・リーグのサイ・ヤング賞の筆頭にダルビッシュを挙げていたが、今は田中を筆頭に挙げる声が圧倒的という状況に。
クリス・セール(ホワイトソックス)、クレイトン・カーショー(ドジャース)、マックス・シャーザー(タイガース)、アダム・ウェインライト(カージナルス)、フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)、ジョニー・クエト(レッズ)というメジャーを代表する錚々たる顔ぶれに加え、ダルビッシュ、田中、岩隈が選ばれた。
ダルビッシュについては、DH制のあるア・リーグのレンジャーズに所属し“ヒッターズパーク”と呼ばれる打者有利な本拠地にも関わらず、好成績を残していること。また、四球も減少傾向であることが選出の要因に挙げられた。
田中については、先発の全てでクオリティスタート(6回以上自責点3以内)という安定性、防御率の低さ、そして「彼のスプリットは、自然の摂理に逆らうものとして複数の宗教団体から禁止されている」とひじょうにユニークな表現で絶賛した。
岩隈については、2012年7月にマリナーズのローテーションに加わって以来、(先発として)ア・リーグ最高の防御率を誇っていることを評価。田中同様、決め球のスプリットを「美しきもの」と表現し、称賛している。
いずれにしてもこの3投手は、そのままサイ・ヤング(最優秀投手)賞の有力候補に名を連ねる。昨年の投票では、ダルビッシュが2位、岩隈が3位だったが、今年は田中が大注目。投げるたびにその評価は上昇し、ESPNいわく、当初は修正能力の高さから“修正男”と呼ばれ、そして“修正王”に昇格、今では“頼れる男”と認知されている。開幕前のメディアの多くは、ア・リーグのサイ・ヤング賞の筆頭にダルビッシュを挙げていたが、今は田中を筆頭に挙げる声が圧倒的で、1位・田中、2位・ダルビッシュ、3位・岩隈のワン・ツー・スリーという日本人にとっては夢のような現実が実現するかもしれないのだ。
他にも黒田(ヤンキース)、上原と田沢(レッドソックス)、松坂(メッツ)など目が離せない選手が多く、今年は日本人メジャー投手の“当たり年”といえる。今後のレギュラーシーズンで、ポストシーズンで、はたまたワールドシリーズで、日本人投手が目を見張る活躍をし、タイトル独占してしまうことも十分に考えられる。