雑貨/キッチン雑貨・テーブルウェア

ひとつは手に入れたい プロダクトデザイナーの愛用品

プロダクトデザイナーとして、ステーショナリーからキッチン、テーブルウェアまで、様々な商品のデザインを手掛ける山崎宏さん。ものを見る目、使い手のプロとしても定評があります。山崎さんが日頃から愛用している品々を紹介・販売する展示会「山崎宏の暮らしもの2」が開催されます。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

山崎宏の暮らしもの2

山崎宏の暮らしもの2(撮影:大沼ショージ)

プロダクトデザイナー「山崎宏の暮らしもの2」開催

プロダクトデザイナーとして幅広く活躍する山崎宏さん。ステーショナリーからリビング用品、キッチンツールまで様々な商品のデザインを行う他、プロダクトデザインに関する展示企画にも多く携わっています。ものづくりに関わる多くのデザイナー、作家、職人等とも交流が深く、ものを見る目、使い手のプロとしても大きな信頼を得ています。

山崎さんの事務所兼ご自宅を何度か訪問したことがありますが、行く度に毎回目を凝らして、家に置いてある品々を物色(?!)してしまいます。元々ステーショナリーの会社でデザイナーをされていたという経歴から、ビジネスツールやリビング用品は自身の作品を含め、ググッと惹かれるカッコいいものが多いのですが、それに加えてグルメで料理好きの山崎さん。キッチンツールにもこだわりがあり、料理を載せる器だって手を抜きません。ダイニングをぐるりと囲むように棚が設けられ、陶器、漆器、ガラスなど様々な素材で、個人作家のものを中心に感じのいい器がずらりと並んでいます。キッチンに本人が入ると、慣れた手つきでささっと料理し、気持ちいいほどしっくりくる器に盛ってサーブしてくれます。まるで小料理屋にでも来たような気分になるのです。

今回の展示「山崎宏の暮らしもの2」では、キッチン、リビング、インテリア等様々なプロダクト商品や作家ものの器、さらにお米、コーヒー、お酒など、山崎さんが美味しいと思う食品の販売も少しあります。そして会場では3人の料理家(あゆみ食堂minokamoセトキョウコ)による日替わりの限定ランチを頂くことができます。

※ランチの内容、ご予約については、会場である神楽坂フラスコHPをご覧ください。

展示商品のキッチンツールを実際に使ってみる

その3人の料理家のうちの1人、minokamoの長尾明子さんと山崎さんがイベントの打合せをする際、同席する機会に恵まれました。場所はもちろん山崎さんのご自宅。今回販売するキッチンツールの使い心地を検証するというものでした。検証というのは、つまり各キッチンツールを使って料理を作り、食べる、ということ。私は“食べる役”としての任務を仰せつかり、それを遂行すべく、のこのこと出かけたのでした。(以下写真は長尾さんが撮ってくれたものを掲載しています。すっかり食べる役に集中してます、すみません)。

まずはビールで乾杯!栓抜きは山崎さんのデザイン。

まずはビールで乾杯!栓抜きは山崎さんのデザイン。(撮影:minokamo)

「金網つじ」の焼き網でパンを焼く。パンはシニフィアン・シニフィエ。

金網つじ」の焼き網でパンを焼く。パンはシニフィアン・シニフィエ。(撮影:minokamo)

焼いたパンは、山崎さんデザインの升重で。器、弁当箱として使え、底面の縁に段差があるため、収納もぴたっと収まる。木製の器はパンの水分を程よく吸収し、パリっと頂ける。

焼いたパンは、山崎さんデザインの升重で。器、弁当箱として使え、底面の縁に段差があるため、収納もぴたっと収まる。木製の器はパンの水分を程よく吸収し、パリっとおいしく頂ける。(撮影:minokamo)


益子の作家・伊藤丈浩さんのスリップウェア。食欲の増す色使いで、料理を選ばない。

益子の作家・伊藤丈浩さんのスリップウェア。食欲の増す落ち着いた色使いで、料理を選ばない。(撮影:minokamo)


大谷哲也さんの土鍋。鍋っぽくないフォルムで、そのままどーんとテーブルにサーブできる。保温性がよく、熱がゆっくり伝わるので、肉じゃがにしっかり味が染み込む。

大谷哲也さんの土鍋。鍋っぽくないフォルムで、そのままどーんとテーブルにサーブできる。保温性がよく、熱がゆっくり伝わるので、肉じゃがにしっかり味が染み込む。(撮影:minokamo)


次々と料理が出てきた後、「さて餃子を作りましょう」と取り出した小さな木ベラ。一見なんてことない素朴なヘラですが、これがすこぶる使い勝手が良かった。長野の木工作家・鈴木努さんのもの。小回りが利いて、ヘラのサイズが餃子1個分のタネをすくうのにちょうどいい大きさです。適度にしなりがあるため、くまなくきれいにすくいやすい。ジャムやペーストなどにも使えそうな、便利なかたちです。たかが木ベラ、といえど、山崎さんらしいこだわりを感じます。

餃子のタネをすくうための木ベラ

餃子のタネをすくうための木ベラ(撮影:minokamo)


ちょうどいい使い勝手です。(撮影:minokamo)

ちょうどいい使い勝手です。(撮影:minokamo)


そして次に登場したのが餃子鍋!「釜浅商店」から出品の鉄鍋ですが、底の部分が普通のフライパンよりずっと分厚い。そのためステーキハウスのような焼き加減が可能です。持ち上げるとずっしり重いですが、重い分だけいい仕事をしてくれます。

餃子鍋です。重厚で頼もしい。

餃子鍋です。重厚で頼もしい。(撮影:minokamo)


焼いてみました。(撮影:minokamo)

焼いてみました。(撮影:minokamo)


さっそく餃子を焼いてみると、表面はパリパリに、中はふっくらジューシーに仕上がりました。私たちはただ餃子を並べるだけで、なんの技術もいらずに、プロの仕上がり!その後試しにカブも焼いてみたのですが、下手するとくしゃっと潰れやすいカブが、繊維を残してシャキシャキの歯ごたえになりつつも、水分を含んだままという、見事な仕上がりになりました。にんじんやレンコンなど根菜類にしっかりと火が入り、おいしくしてくれるようです。さらに厚手のステーキなどもいい感じに焼けそう。パエリアも作れるそうです。この鍋の職人技的仕事っぷりには、一同驚愕の瞬間でした。

カブもきれいに焼けます。(撮影:minokamo)

カブもきれいに焼けます。(撮影:minokamo)


今回展示される道具をいくつか実際に使ってみると、どれも山崎さんならではの視点に説得力があり、ますます期待が高まりました。これら以外にも様々な山崎さんセレクトの道具や器が並びます。会期中はご本人も毎日在廊されているそうなので、直接お話を伺ってみるのも楽しいかと思います。神楽坂散歩のついでに、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。

キッチンに立つ山崎さん。(撮影:minokamo)

キッチンに立つ山崎さん。(撮影:minokamo)


2年前、私が「作ってるもの、使ってるもの、食べてるもの」というテーマで展示販売のイベントをさせていただきました。デザイン、作家、職人、料理。ジャンルに関わらず「私」という主語、視点だけを頼りに手探りで企画しました。おかげさまで評価をいただき、2回目の開催となりました。今回、テーブルウェアはもちろん、キッチン、リビング用品など、幅広くご紹介したいと思います。是非、ご来場ください。
山崎宏


2014年6月13日(金)~17日(火) 12時~19時
神楽坂フラスコ
http://www.frascokagura.com/


ヤマサキデザインワークス
http://www.ymsk-design.com
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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