歯科インプラント治療の相談に行きたいが、どこに行ったらいいかわからない。歯科医院選びの基準は人それぞれだと思いますが、全ての人に共通するのは「経験と実績のある人に安全に治療してもらいたい」ということだと思います。それを見極める方法として専門医かどうかというのも1つ。厳しい基準を満たした日本口腔インプラント学会専門医であることは、一定以上の経験と実績を持つ歯科医であると言えるでしょう。このあたりを詳しくお話ししたいと思います。
日本口腔インプラント学会とは
1986年に発足された日本口腔インプラント学会は、日本国内で最も歴史があり、日本歯科医学会専門分科会に承認されている会員数が12000人を超える歯科業界最大の学会です。口腔インプラント治療に関する研究を推進し、より安全で安心な口腔インプラント治療を国民に提供することを目的としています。
専門医になる為の要件(抜粋)
日本口腔インプラント学会の専門医になるには、まず申請時に下記のすべての要件を満たしていなければなりません。
専門医であるかどうかを歯科医院選びの参考に
1 日本国歯科医師免許を有すること
2 5年以上継続して日本口腔インプラント学会員であること
3 研修施設に通算5年以上在籍していること
4 日本歯科医師会会員であること
5 専門医教育講座を3回以上受講していること
6 本学術大会または支部学術大会に8回以上参加していること
7 指定された研修を終了していること
8 指導医2名の推薦があること
9 定められたインプラント治療の経験があること
10 ケースプレゼンテーション試験に合格していること
11 本学術大会または支部学術大会で2回以上発表していること
12 インプラントに関する論文を発表していること
インプラント専門医であること
インプラント治療は、総合的な歯科治療を行うことができなければ長期維持できません。埋入する外科処置のみが卓越していても、上部構造を正確に製作し正しく装着しなければなりませんし、全体の咬合バランスを整えることができなければなりません。また近年では、天然歯とインプラントが共存する機会が多いため、インプラント治療のみでは全体解決を図れないことが多くなってきています。とはいえ、歯科インプラントという特殊な治療技術は、コンスタント且つ継続的に行っていることも重要で、永久ライセンスではない専門医制度は更新時に症例数やその経過などを厳格にチェックされます。もちろん専門医=高い技術・安全というわけではありませんが、少なくとも簡単に取得できるライセンスではないので、術者の経験や実績を確認する指標の1つと言ってもよいでしょう。