レチノールとは

レチノールという美容成分を聞いたことがありますか?ビタミンAの一種で、角層細胞に作用してヒアルロン酸の生成を助け、角層の水分量を増やす働きがあることが知られており、しわ、たるみなどアンチエイジングに効果があると話題の成分です。

ビタミンAはレチノール、レチナール、トレチノイン(レチノイン酸)の3つ指しますが、それぞれ生体内での働きは異なり、皮膚だけではなく視覚、免疫においても作用します。

ビタミンと聞くと、なんだか悪くはなさそうな気がして、しわやくすみに効果があるのなら、さっそくでも試してみたい気持ちになります。しかし、レチノール関連化粧品には肌トラブルの被害報告などもあるため、知っておくべき使用上の注意点についてお話いたします。

レチノール関連化粧品について

レチノールの類縁体であるトレチノインは、コラーゲン産生の促進、ヒアルロン酸の肌への沈着促進、表皮細胞の代謝(ターンオーバー)の促進などの作用があり、しわ、しみなどの改善薬としてアメリカのFDAに認可されています。効果はレチノールの100倍ともいわれてますが、日本では副作用の観点から医薬品でも承認されておらず、化粧品成分としてその類縁体であるレチノールが用いられています。レチノールは体内で代謝されるとトレチノインになります。

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トレチノイン治療中の肌

トレチノインはターンオーバーを促すことにより、赤くなり、乾燥して皮が剥けます。日本で販売されている化粧品に含まれるレチノールはトレチノインより作用はかなり弱いですが、副作用として紅斑、掻痒、発疹などが報告されています。

レチノール関連の化粧品でも、腫れや痒みなどのトラブルから一部発売が中止となっているものもあります。高濃度という言葉にはついついお得感を感じてしまいがちですが、レチノール関連化粧品では要注意です。

紫外線に注意

次に、注意が必要なのは紫外線です。トレチノインを使用中の肌は、いつもより紫外線によるダメージを受けやすくなります。

紫外線から受けたダメージを修復するために使うのになんで?と思われるかもしれませんが、ターンオーバーを促すということは、まだ新しく、刺激に敏感な細胞が表面にあるということであり、紫外線によるダメージを受けやすくなるということです。そのためトレチノイン治療では、使用方法は1日1回、夜、SPF15以上の日焼け止めの使用することとなっています。

レチノールも、美肌のために使用するのであれば、同じ理由で日焼け止め対策は必須です。

妊婦は注意

もうひとつ、知っておいていただきたいことは、ビタミンAの過剰症として催奇形性があることです。厚生労働省では妊婦のビタミンA摂取症に上限値を定めています。

目的は異なりますが、角化性皮膚疾患の治療で使用されているザーネ軟膏(有効成分:レチノール5%)でも、妊婦3ヶ月以内または妊娠を希望するものには原則使用しないこととなっています。化粧品などに含まれるレチノールの量は微量ですが、よく考えて選びましょう。積極的に摂取しなければ、通常の生活で上限値を超えることはありません。


参考文献 ビタミン辞典、美容皮膚科ハンドブック、皮膚の辞典
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