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スーパーフォーミュラ、5人のチャンピオンたちの競演(2ページ目)

スーパーフォーミュラ第2戦が富士スピードウェイで開催。決勝2レース制で行われたレースをレポートする。際立つ5人のチャンピオン経験者の好走は今季の最大の魅力だ。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

チャンピオン経験者らしい速さが決勝でも

星野一義

スタート前に集中する星野一義監督

「スーパーフォーミュラ」の前身、全日本F2、F3000など国内トップフォーミュラで数多くのチャンピオン経験を持つ闘将、星野一義監督率いる「Lenovo Team IMPUL」で走るオリベイラは、監督から相当なプレッシャーをかけられていた。

昨年、同チームは未勝利に終わっており、今年はまさにリベンジのシーズン。そして、現役時代のように常にブッチギリのレース展開こそを美学とする星野監督だけに、エースドライバーのオリベイラに対する要求も大きい。

決勝第1レースで好スタートを決めたオリベイラはスタートから独走。2番手にジャンプアップした中嶋一貴をジワジワと引き離し、最終的には5秒以上の差をつけて独走で優勝。2年ぶりの勝利を、まさに星野監督が理想とするブッチギリの展開で制した。
オリベイラ

オリベイラ

そして、第2レースではロッテラーがポールポジションから好スタート。2番手には同じくこちらも良いスタートを決めたオリベイラが続く。第2レースは先行するロッテラーが先にピットイン。1周遅れでオリベイラもピットインするが、両チームともに素晴らしいピットワークを見せて、そのまま順位は変わらず。ロッテラー、オリベイラともに差がほとんど変わらない展開で肉薄し、ロッテラーが今季初優勝を飾った。

第1レースは優勝:オリベイラ、2位:中嶋一貴、3位:デュバル。第2レースは優勝:ロッテラー、2位:オリベイラ、3位:中嶋一貴と両レースともにチャンピオン経験者4人が表彰台を争う展開になり、この4人が頭ひとつ抜け出していた印象だ。
オリベイラ

第2レースで表彰台を獲得した3人。左からオリベイラ、ロッテラー、中島一貴

この4人、日本でのレース経験も豊富だが、それに加えてデュバル、ロッテラー、中嶋はWEC(世界耐久選手権)で活躍するドライバー。最高峰LMP1クラスでロングディスタンスを走り込んでいる彼らの実力はやはり別格という印象を持つ。耐久レースやSUPER GTは2人、3人のドライバーで戦うレースだが、シングルシーターのフォーミュラで彼らの速さは完璧に証明されているといえよう。

第2レースの5位には殊勲の山本尚貴

チャンピオンで忘れてはならないのが昨年の王者、山本尚貴。今年はカーナンバー1番を付けて、王者としてニューマシンSF14+新型エンジンの「スーパーフォーミュラ」に挑んでいるが、ホンダエンジン勢はトヨタエンジン勢に大きく水を開けられており、苦しいレースが続く。

山本尚貴

山本尚貴

第1レースで山本尚貴のマシンには過給器系のトラブルが発生し、リタイア。穏やかな山本だが、マシンを降りた後に珍しくグローブを投げつけて怒りをぶつけた。トラブルの再発も心配された第2レースだったが、ホンダ勢の中では好ペースの走りを展開して5位入賞。

今季、ホンダの最上位は8位どまりだっただけに、これはお見事というしかない結果。チャンピオンはその走りと努力で足りない物を見事に埋めてみせた。昨年の大逆転チャンピオン獲得もあってか、ピットウォークのサイン会では長蛇の列ができる人気ドライバーになった山本尚貴。その王者らしい走りはファンの心をまた大きく動かしたに違いない。
スーパーフォーミュラ

混戦模様のスーパーフォーミュラ

山本が5位に入った第2レースは終わってみれば、1位~5位をチャンピオン経験者が占めた。エンジンは第4戦まで使用せねばならないことに加えて、次戦も富士スピードウェイでレースが開催されるため、好調のトヨタエンジン勢の強さはそのまま維持されるだろう。全7戦しかない今季を考えれば、トヨタエンジン勢の4人のチャンピオン経験者が非常に有利な立場にいるが、やはり次戦はチャンピオン経験者の強さに割って入ってくるドライバーの登場に期待したい。

スーパーフォーミュラ公式サイト


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