今年の「Sell in May」は昨年、一昨年以上の注意を払っておいた方が良い
次に半年ごとの通算騰落ではなく、Sell in Mayの間に最大どれほど下がるかを見てみたいと思います。毎年の4月の高値より、以降5~10月の半年間の最安値まで何%下がったかを表にしたのが以下の図です。図では1980年以降のみを描いておりますが、1928年以降の全てを調べると、平均して4月高値から10月末までの安値までに-12.5%も下がっています。これは結構な下落率だと言えます。あくまで高値から安値までの瞬間値なのですが、指数でこれだけ下がると個別株では大きな損失を体感するレベルだと思います。
この測定法で近年大きく下がった年は、ブラックマンデーのあった1987年、そしてITバブル崩壊後の2年、そして2008年の金融危機となります。9.11のテロ事件を含め、これら大きく下がった年は全て秋です(ちなみに1929年大暴落も)。ここを避けるかどうか、そして大きく下がった直後に買えるかが、長期間では大きな差となって現れてきます。
ITバブル崩壊前は勿論のこと、1987年、2008年の暴落前(各半年~1年前)にも、共通して異様な強気相場で、投資家の強気を示す指数はほぼ同じくらい高いものでした。そして、それらの数値とほぼ同じだけのものが昨年末から今年初めにかけて確認されてもいます。これが必ずしも今年の秋に暴落を予見するものではありませんが、直前の高揚感や強気指数は、大体同じレベルにあったことだけは確かです。
またIPOの数も今年1-3月期に過去最大級となりました。米国のオンライン証券会社における一般家庭からの投資参加率もITバブル期、07年と最近はほぼ同じくらい高いものだそうです。実感的にも昨年末のバブル感は2007年秋とほぼ同じ水準にある感じがしました。誰もが一斉に強気という状態を久々に感じた瞬間でした。過去は必ずしも繰り返すものでありませんが、今年の「Sell in May」は昨年、一昨年以上の注意を払っておいた方が良いように思います。
参考:日本株通信
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