今年も日本株は5月に売りで正解なのか?
軟調な相場展開が続く日本の株式市場ですが、今年も格言通り5月に売りで良いのかを検証します
そして株価が十分に下がった10月末に相場に戻り、再び安値を仕込んでクリスマス~春先恒例の上昇ラリーに乗っかれ、というものです。そして、米国株は世界の株式市場の時価総額のおよそ35%を占めるに至っており、日本株も外国人投資家の売買代金が約7割を占めますので、その動きは日本株にも大きく影響するわけです。
株は「秋に仕込んで春に売る」、という戦略は単純で論理的根拠も乏しいながら、世界的な株価指標であるニューヨークダウの歴史で正解となっており、高値は4月につけることが多くなっています。しかしながら2013年、「秋に仕込んで春に売る」投資方法で、株を保有しない期間に相当する5~10月のニューヨークダウは+4.8%と上昇しており、その前の年も下がりはしましたが-0.9%の下落に留まりました(夏場に一時パニック的に下がった記憶ありますが)。2014年の相場は1月~4月の上がるべきタイミングで軟調に推移し、十分この間に利をあげられずにSell in Mayを迎えています。今回はダウの指数を使い、過去のSell in Mayの検証を行いたいと思います。
実は5月~9月は9月以外、特に大きく下がっていない
まず上の図に1928年以降の月別ニューヨークダウの騰落率平均をまとめています。月別で見ると、9月が突出して悪い点を除くと、残りのSell in Mayの月(5月~10月)が特に悪いとは思えません。4月は確かに7月、12月と並びベスト・マンスとなっています。次にSell in Mayに該当する6ヶ月間(5月~10月)のパフォーマンスを1980年以降で見ると上の図のようになります。近年ではITバブル崩壊後の2年間と金融危機のあった2008年の当期間に大きく下がりました。また2011年は欧州債務危機の影響で夏場に一時的に大きく下がった余波が見られます。ただ、それ以外の年はそう悪いものでなく、プラスとなった年の方が多くなっています。
逆に「株を買う時期」と言われる10~4月の半年間の同時期の成績は上のように、明らかに良いことが分かります。この半年間はまず大きく下がることはないという様子です。これら2つを比べると、Sell in Mayでいう避けるべき投資期間の5月~10月はそう酷いものでもなく、過度に恐れる必要ありません。11月~4月の期間と比較するとパフォーマンスが劣り、比較上不利だという事でしょう。しかしながらこれら2つの期間の差を蓄積すると、長期には莫大な差がつくことになってしまいます。
>>実はSELL IN MAYの実態は大暴落を被弾しないことにあった!?