平成26年度から2つの改正がある
「国の教育ローン」は、平成26年度から融資限度額が2つの点で改正されました。- 前年度までは、利用可能な融資額が一人につき300万円までだったが、4月以降は350万円までとなり、50万円ほど拡充。
- 外国の大学や大学院に、1年以上留学する資金として利用する場合は、融資額は450万円までとなり、大幅にアップ。
学びたい学生とその家庭を支援する国の教育ローン
利用するには、子どもの人数に応じた世帯年収の上限額以内であることが必要ですが、所定の学校などに入学・在学する子どもがいる保護者のほか、仕事をしながら大学・大学院、専門学校などで学ぶ社会人も、自分のために利用することができます。
1年間の利用件数は平均約11万件、制度開始からの利用件数は延べ500万件を突破しています。利用状況を学校別にみると、もっとも多いのは「大学」ですが、次が「専修学校」で、「高校」、「その他」と続きます。
海外留学資金の融資実績が増加中
そうした中で、最近になって海外留学資金の融資実績が急増していることは注目に値します。平成25年度の融資件数は1119件で、前年度比で約28%の増加。1件当たりの融資額は平均210万円で、合計23億円となり、前年度より約38%も増えました。これは過去6年間で最高となっています(日本政策金融公庫調べ)。現在の政府は「日本再興戦略」において、グローバルな人材を育てるため、2010年に6万人だった日本人留学生を、2020年までに12万人へと倍増させることを目指しています。こうした背景から、国の教育ローンも海外留学への支援を強化して、融資限度額をぐんと引き上げたというわけです。
現在は、新年度がスタートしたばかりで、学費の工面もひと段落した家庭が多いかもしれません。しかし、後期の授業料の支払いや、海外留学について検討中なら、条件などを早めに調べ、活用してはいかがでしょう。海外の学校は9月スタートのケースが多いため、留学資金は7月ごろまでに目途をつけると安心です。
資格の取得やスキルアップなどで、自分の教育資金が必要な社会人(子どもがいない)の場合は、本人の世帯年収が790万円(自営業者などは年間所得が590万円)以内であれば利用可能。融資対象となる学校は修業年限が6カ月以上の教育施設で、コースによっては一定の要件を満たす必要があります。
詳しくは、最寄りの公庫支店や、コールセンター(0570-008656)に問い合わせてみましょう。