ついに銀座に帰ってきた、「西洋銀座」のお菓子達
2013年5月31日、銀座の誇るスモールラグジュアリーホテルとして名を馳せた「ホテル西洋銀座」が、創業より26年の歴史を経て、多くのファンに惜しまれながら営業終了。スイーツの世界でも名門と謳われ、語り継いでいきたい数々の名品が生まれたこのホテルのペストリーショップの伝統を受け継ぎ、お客様からの多数のリクエストにより生まれたブランドが、「パティスリー西洋銀座」です。
そんな「パティスリー 西洋銀座」からは、オープン記念スイーツとして「銀座はちみつロールケーキ」が登場。「銀座はちみつ」の中にも、西洋ミツバチによるものと、日本ミツバチによるものがあるそうですが、浦野シェフが選んだのは、より希少な日本ミツバチが集めたはちみつ。その、日本ミツバチによる百花蜜の「銀座はちみつ」を、生地にもクリームにも使用しています。クリームに混ぜ込んでいるオレンジピールのスライスも、シロップを切り「銀座はちみつ」をからめているそうです。生地はしっとりしたきめ細やかな口どけで、クリームの甘さもとても上品。オレンジの爽やかな香りとはちみつの香りが一つになり、やさしくまろやかな味わいを醸し出しています。
こちらのお菓子は、ホテルのシェフパティシエを務めた浦野義也シェフが、レシピはもちろん、ホテルの厨房で創業当初から使ってきたオーブンやミキサーなどの機材も可能な限り運び出してそのまま使用し、長年愛されてきた味を作り続けています。
これまで都内百貨店に2店舗をオープンしてきましたが、今回、松屋銀座への出店により、ようやく古巣の銀座に戻る形となります。今年の1月に松屋銀座に期間限定で催事出店をした時も、多くのお客様に「戻ってきてくれたのね!」と声をかけてもらったのだそう。
なんといっても西洋銀座の代名詞とも言うべきスイーツがこちら「銀座マカロン」。今、多くの店で見られるようになったフランス菓子のマカロンですが、「銀座マカロン」は、「ホテル西洋銀座」で誕生した、他にはないマカロンでした。2枚の生地は極薄く艶があり、サンドされたバタークリームは卵黄の味が強く、発酵バターを加えたコクのある濃厚な風味。そしてラム酒に漬けたレーズンを合わせているのが個性的で、どこか“レーズンサンド”を思い起こさせる、昔懐かしい味わいです。個包装のパッケージに、銀座の街に灯った「ガス灯」の絵柄をデザインしているのも銀座らしく、お土産にぴったりの品です。
今後、季節に応じたマカロンも登場するほか、6月頃、今年の「銀座はちみつ」が充分に採蜜できるようになったら、ホテル時代にも好評を博した「銀座はちみつマカロン」の発売も検討しているとのこと。楽しみですね!
創業期より継承する伝統のレシピによる生ケーキも並びます。「西洋モンブラン」は、フランス産の2種類のマロンペーストと、乳脂肪分の高い生クリームを贅沢に使用。上にすっと伸びたような背の高いフォルムを飾る独特のスタイルのマロンクリームは、バラの花を絞る時に使う口金を使って1つ1つ手作業で絞るもの。浦野シェフでさえ、最初にシェフに就任された当時は、予想以上に難しく、かなり練習されたというほど、職人の技術を要するお菓子なのです。
多くの「西洋銀座」ファンの方が、なじみ深く懐かしいこれらのお菓子が再び銀座で食べられるようになるのを喜んでくれると同時に、松屋銀座で初めてこのブランドに出会う新たなファンの方も増えていくことでしょう。
続いて、次のページでは、松屋オリジナルブランドとして新たに登場した、ミルフィユの専門店をご紹介します。