ネット定期預金金利に過度な期待はできない
少々古い話になってしまい恐縮ですが、好金利を提示していたインターネット専業銀行の記念キャペーンなどは2014年3月31日をもってほぼすべてが終了してしまいました。記念キャンペーンなどを除けば、次回は夏のボーナス期に行われる夏のキャンペーンでしょう。ただ、一昨年当たりからインターネット専業銀行の夏・冬のキャンペーン金利は、驚くほどの好金利ではなくなっていることから、この夏の定期預金金利に過度な期待を抱くことは控えたほうがよいと思われてなりません。好金利を期待するには、市場金利の上昇を期待するしかないと思われます。
その市場金利ですが、長期金利を始めとする各機関の金利は2014年度に入ってからはほとんど動かない(=横ばい)状態が続いています。日本銀行の異次元緩和が効いているうえ、追加緩和の期待もあることから当面、市場金利が上昇することはないと思われます。
主なインターネット専業銀行の金利を見ていくことにしましょう。低金利局面のセオリーとしては預入期間の長い固定金利商品の利用は避けるべきですから、1年物を中心に見ていきます。
ソニー銀行は、6ヵ月から3年物までの金利を0.1%としています。ソニー銀行は、ジャンボ宝くじプレゼントが好評だったことから、金利よりも宝くじに方針をシフトしている気がします。6月30日までのキャンペーンでも、サマージャンボ宝くじを抽選で100名に100枚プレゼントを行っています。
住信SBIネット銀行は、6ヵ月、1年物の金利を0.13%としています。常にソニー銀行の金利を意識していることから、0.03%ですが金利は高くなっています。利息に直せば、100万円あたり300円(税引前)の差に過ぎません。
オリックス銀行は、6ヵ月が0.25%、1年から3年物が0.27%になっています。預入金額100万円以上と他のインターネット専業銀行よりハードルが高いですが、その分金利はソニー銀行、住信SBIネット銀行の2倍超になっています。
大和ネクスト銀行は、6ヵ月、1年物を0.21%としていますが、2014年5月1日から開業3周年キャンペーンを始めました。新たに大和ネクスト銀行(ツインアカウント口座を開設した場合、6ヵ月、1年物の金利を0.40%。既に利用している人は同期間の金利を0.35%にアップしますが、いずれも300万円以上の預入れとかなりハードルが高くなっています。
地方銀行のインターネット支店の優位は続く
インターネット専業銀行の金利が期待できない以上、頼みは地方銀行のインターネット支店になります。荘内銀行のわたしの支店の専用定期預金は、1年から5年物まですべて0.40%の金利です。最低預入金額は100万円以上ですが、最高1億円まで預け入れが可能となっています(1口当たり100万円以上1000万円以下)。これから紹介する地方銀行の預入上限金額と比較して破格となっています。
トマト銀行のももたろう支店では、ももたろう支店開設4周年キャンペーンを行っており、スペシャルきびだんご定期預金の1年物が0.45%となっています。通常、100万円までしか預け入れできませんが、キャンペーン終了の6月2日までは300万円まで預け入れることができます。
香川銀行のセルフうどん支店では、金利トッピング定期預金の1年が0.30%、2年が0.31%、3年が0.33%になっています(預入金額300万円未満の場合)。また、超金利トッピング定期は1年物で0.40%ですが、1人100万円までしか預け入れることはできません。
愛媛銀行の四国八十八ヵ所支店では、四国八十八ヵ所支店定期預金の1年が0.32%、2年が0.33%、3年が0.35%になっています(預入金額300万円未満の場合)。また、1人100万円限定のだんだん定期預金は1年物0.40%です。
インターネット専業銀行より地方銀行のインターネット支店の優位は続いていますが、地方銀行のインターネット支店の金利も低下傾向にあるようです。定期預金の厳しい状況は、まだまだ続きそうです。