株・株式投資/日経平均株価の動向を専門家がチェック

リーマンショック以来の異変?どこまで日本株は下がる

2014年4月7~11日の日経平均は1103円の下落となり、リーマンショック直後以来となる週間下落幅を記録しました。今後の日本株はどうなるのでしょうか?その鍵は米国のナスダック総合指数が握っているようです。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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世界的に、相場の潮目が変わっている?

リーマンショック以来の下落発生!今後の日本株はどうなる!?

リーマンショック以来の下落発生!今後の日本株はどうなる!?

2014年4月7~11日の日経平均は1103円の下落となり、リーマンショック直後以来となる週間下落幅を記録しました。その理由として黒田日銀総裁会見での失望(緩和期待の後退)や、消費増税開始による景気減速懸念、ウクライナ情勢再緊迫化、中国経済指標悪化、などが言われています。(そしてもちろんそれらは間接的な原因でもあります)しかし、日本市場を実際に動かしているのは外国人投資家(=東証売買代金の7割)であり、具体的には(オイルマネーを含む)世界中の富豪の資産を受託運用しているロンドン、シンガポール、ニューヨーク等に拠点を置く機関投資家です。

これらのファンドマネージャーが日頃頻繁に売買をしているのが米国ナスダックに上場する高成長株であり、米国ナスダックの動向をみていると、これらのファンドマネージャーの動向がみえてきます。

巨額の資金を動かす場合、世界中に分散投資をせざるをえませんし、同じ輪に居る人間が情報交換しながら売買していますので、米国のナスダックと同じような取引が世界に波及していても不思議はないと思います。

そして現在の日本株の動きは米国のナスダックの成長株の値動きとそっくりです。機関投資家が売っている?米国株で成長優良株が失速でもお伝えしましたが、これまで相場の上昇を牽引してきた成長株の下落ぶりがただ事ではなく、少なくとも2012年以降なかったような事が起きており、相場の潮目が変わっているかもしれないと思います。つまり日本は日本だけの要因で動いているわけではなく、日本株もその流れに追随していると考えることが出来ると思います

ナスダックが50日移動平均線から7%下方乖離で下げ止まれるかが大きな分かれ目

長期トレンドの1つの目安となるのが50日移動平均線と200日移動平均線の位置関係だと思います。2012年12月にアベノミクス上昇相場が始まったとき、200日移動平均線を50日移動平均線が上に突き抜けました。これが通常上昇トレンドへの転換の合図です。そして、逆に200日移動平均線を50日移動平均線が下に突き抜けると下落転換の合図になるのですが、現在はちょうど下に突き抜けようとしているところです。

これまでも何度か大きな調整はあったが、50日移動平均線7%乖離ラインで踏みとどまってきた

これまでも何度か大きな調整はあったが、50日移動平均線7%乖離ラインで踏みとどまってきた


一方、先行指標となる米国ナスダックの動きですが、こちらの方はまだ上昇トレンドが崩れているとは言えない状況で、株価も200日移動平均線よりも上に位置しています。2011年の南欧債務危機など、ここ3年ほどは大きな調整があっても50日移動平均線から7%程度の下方乖離でナスダックは底打ちしてきました。

しかし、今回、それ以上に下がってしまう場合は相当相場が荒れることを意味します。現状は短期的な異変に過ぎないとも取れる段階で、ここを持ち堪えれば心配無用となる可能性も残します。ただ先行する銘柄群の下がり方は異変を感じさせるものでしたナスダックに異変が生じれば当然、日本株へも影響必至であるため、用心深く見ていきたいところです

参考:日本株通信

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