カリーヌ・スタイル「ペンシルスカート&ピンヒール」
カリーヌがこだわるのは、ピンヒールで仕上げるレッグラインの演出です。とりわけ、ボトムスは膝が隠れるぐらいのペンシルスカートを好んでまといます。ピッタリとボディにフィットしたスカートシルエットに、ボリュームたっぷりのゴージャスなファーを重ねることによって、ウエストから下をシャープに見せる構図作りも心得ています。足元はやはりピンヒールでフィニッシュ。ショートブーツでエッジィなムードにまとまりました。新トレンドも自己流にさりげなく取り入れているのはさすが。こちらは、トレンドのデニムをペンシルスカートでエレガントに着こなしました。ショート丈のトップスでウエストより上の部分をチラ見せして、旬トレンドの部分肌見せも難なくクリア。腹出しルックに抵抗を覚える大人女性は少なくありませんが、このようにハイウエストのボトムで合わせ、ほんの少しだけ肌をのぞかせれば、程良いセクシーを楽しめることを、もうじき60歳のカリーヌが証明しています。その分、首もとや腕などの露出を控えているところも見習いたいバランス感覚です。
映画ではカリーヌを取り巻く、豪華な交友関係も紹介されています。カール・ラガーフェルド、トム・フォード、ドナテラ・ヴェルサーチ、ジャン=ポール・ゴルチェといった有名デザイナーたちが登場。さらに、サラ・ジェシカ・パーカー、カニエ・ウエスト、ケイト・ブランシェット、ビヨンセ、キルスティン・ダンスト、アリシア・キース、坂本龍一などの俳優、ミュージシャンたちの顔も見えます。
59歳になってもファッショニスタとして尊敬を集めるカリーヌ流の着こなしから分かるのは、自分を美しく見せるにはどうすればいいのかを、本人がよく心得ているということです。大人の女性に大切なのは、自分をきれいに見せるコーディネートの軸を固めることだという鉄則を、カリーヌのぶれない着姿は静かに語りかけてきます。彼女がタイトスカート、シャツ、ピンヒールなどを、頼れる味方アイテムと位置付けているように、自分に似合う服や靴は何かを、もう一度問い直すきっかけになりそうです。映画を通して触れるカリーヌ流おしゃれ哲学は、10年、20年先まで見据えた自分スタイル発見の道しるべとなってくれるに違いありません。
【映画情報】
『マドモアゼルC ファッションに愛されたミューズ』
2014年5月9日TOHOシネマズシャンテほか全国公開
配給・宣伝:ファントム・フィルム
(c)2013 BLACK DYNAMITE FILMS, TARKOVSPOP
【関連記事】
◆VOGUEの「プラダ悪魔」鬼編集長の素顔
◆「プラダを着た悪魔」がお手本 欲しいコート
◆一生愛せる本物トレンチコート、アクアスキュータム
◆ケネディ大使が愛する「キャロリーナ ヘレラ」の魅力
◆セレブのクローゼットから学ぶ、高級ブランドの操り方
【ガイドの最新情報】
◆宮田理江 公式ブログ 「fashion bible」