一方、消費増税の陰で身を潜めつつ、着実に物価が上がってきています。実は、物価上昇が家計に与える影響は消費増税のインパクトをはるかに上回ります。皆さんの備えは大丈夫でしょうか?
消費増税の影響は『横ばいのダメージ』
消費税が今回は8%に増税されましたが、2015年の10月には10%になる予定です。家計の支出面へのダメージを見ると次のようになります。<1カ月の家計の支出が税抜きで200,000円の場合>
・消費税5%の時は、200,000円と消費税10,000円で210,000円の支出
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・消費税が8%になって、200,000円と消費税16,000円で216,000円の支出
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・消費税が10%になると、200,000円と消費税20,000円で220,000円の支出
消費税が10%になると、昨年と比べると家計の支出が210,000円から220,000円になります。2015年10月の増税(10%)以降、税率が変わらなければ10,000円の支出増加が続くこととなります。毎月のことなので影響は大きいですね。
物価上昇は『複利のダメージ』
物価上昇の影響は消費増税のダメージを大きく上回ります。日本銀行は2013年4月にアベノミクスの名のもとで景気回復を目指して、3年間で年間の物価上昇率を2%にする目標に掲げて諸施策を実行しています。物価は増税前の今年の2月の時点で、すでに昨年より1.5%上昇しています。物価上昇は増税と違って、上昇率が2%になったら終わりではありません。その後、毎年2%ずつ上がり続けることを目指すものです。
<1カ月の家計の支出が200,000円の場合で、物価が毎年2%上がったら>
・1年目 204,000円(200,000円×1.02) 毎月4,000円の支出増加
・2年目 208,080円(240,000円×1.02) 毎月約8,000円の支出増加
・3年目 212,242円(208,080円×1.02) 毎月10,000円以上の支出増加!
・5年目 220,816円(216,486円×1.02) 毎月20,000円以上の支出増加!!
・10年目 243,799円(239,019円×1.02) 毎月40,000円以上の支出増加!!!
・15年目 269,174円(263,896円×1.02) 毎月約70,000円の支出増加!!!!
こうやって計算すると物価が複利で値上がりしていき、ゾッとするような金額になります。年数が経つにつれて消費増税よりはるかに家計にダメージを及ぼすことが分かります。もちろん上記の計算に消費税が加算されます。
この物価以上に収入が上がる人は影響が少ないですが、そうでなければ家計は非常に厳しい状況になります。
物価が上がる数年後にマイホームを購入して住宅ローンの支出が増える人や、子どもの進学で教育費負担が増えることが分かっている人は、今のうちから収入アップの対策、家計の見直しや貯蓄額の増額、株式や投資信託などで資産を増加させることにトライする、配当収入を得て所得を増やす、保険の見直しなどが必須です。
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