NISAは儲からなくては意味がない。「勝ち逃げ」せよ

NISAでは勝ち逃げが鉄則、と語る深野さん

NISAでは勝ち逃げが鉄則、と語る深野さん

「NISAは損したらデメリットしかない。勝ち逃げが鉄則です」と断言するファイナンシャル・プランナーの深野康彦さん。確かに他の口座との損益通算はできませんし、口座は1年単位ですからナンピン買い(保有している株価が下がったとき、さらに買い増して取得平均単価を下げる)も難しい制度です。

「NISAはオプション取引のようなもの。非課税という権利は、売却し儲けを手にして初めて権利行使となります。口座を開設し、投資商品を購入しただけでは投資家にとって何のメリットもありません。基本戦略は、中、長期投資というよりも勝ち逃げと割り切るべきです」(深野さん)

しかし、絶対に値上がりする投資商品などありません。具体的に、どんな商品を選べばいいのでしょう。

「地の利がありますから日本株を選ぶ人も多いでしょうが、昨年初めに比べると日経平均株価は5割程度上がっていますからハードルは高いです。ただし短期で考えるならリスクは高めですが、低位株やレバレッジ型ETF(先物取引を活用して日本株の値動きの2倍の収益を目指す)でハイリターンを目指すという考え方はあります。通常の投資スタンスと同じように中長期で考えるなら、逆張り発想でいま落ち込んでいる東南アジアやロシアといった新興国へ投資するファンドを積み立てるのがいいでしょう」(深野さん)

NISA口座でポートフォリオを考える必要はない

投資するときに考えるべきことのひとつとして、必ずいわれるのが「ポートフォリオ」。NISAを紹介する特集などでも、よく目にする言葉です。

「NISAをきっかけに投資を始める人は、ポートフォリオを考えて分散投資にこだわる必要性は高くありません。というのは、ポートフォリオは自分が保有する金融商品全体で考えればいいからです。たとえば500万円の預貯金を持っている人が、NISA口座で日本株を100万円買ったとしましょう。NISA口座は日本株100%ですが、資産全体から見たら20%です。NISAの中で分散を考える必要はなく、あくまで手持ちの資産全体のバランスを見てください」(深野さん)

NISA口座は特別なものじゃない。自分の投資スタンスを明確に

イギリスのISAを手本にスタートしたNISA。日本は非課税期間が5年(翌年の非課税枠に移動=ロールオーバーすることは可能。口座開設は2023年まで)ですが、発祥のイギリスは無期限です。

「そもそもNISAは、上場株式等の配当や譲渡所得の軽減税率が終了することに伴い、その緩和措置としてスタートしたもの。これまでの税制の流れから見ても、NISAは金融商品一体課税へのプロセスでしょう。恒久化になるだろうという人もいますが、私は現段階ではそうは思いません。ですから値動きが安定した商品で少額でもいいから確実に非課税メリットを生かしたい、株式など値動きの大きいもので期間にとらわれず確実に利食っていく、これを機会に積立で長期投資を始め将来的には課税口座へ移しても構わない……など、まずは自分の投資スタンスを明確にすることが大切です」(深野さん)

次のぺージからライフスタイル別のNISA投資の鉄則と、注目の銘柄についても解説します

取材・文/鈴木弥生 パネルデザイン/引間良基



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。