米国株で成長優良株が失速している
2014年4月2日(水)まで米国株は4連騰し、S&P500指数は2013年末につけた史上最高値を更新し、ダウも同じく高値まであと一歩にまで迫っていました。3月末に50日移動平均線を下回っていたナスダックも4月1日(水)は急騰し、50日移動平均線を上に突き抜けました。しかし、4月3日(木)は反落となった上、4月4日(金)には大きな変化が生じました。ナスダックはこの日、▼2.6%も下げました。ナスダックの▼2.6%の下げ幅というのは、(今年はたまたま2月6日にも起こりましたが)ここ数年では年に一度あるかないかというほどの異常な下げです。 ダウの終値もたまらず159ドルほど下がった(▼1.0%)のですが、ナスダックに比べると日常的で、軽度な下げの範囲です。
個別銘柄を見ても、米国ニューテクノロジー株の代表テスラモーターズ(TSLA)、バイオ医薬株、IT関連、消費からも急成長アパレルのアンダーアーマー(UA)など、5~7%下げた優良株はこれら以外にも多数あります。またグーグル(GOOG)やアマゾン(AMZN)などの大型株もかなり下げています。
では米国の景気指標が悪化……?景気指標は悪くない!
ここまでの話を読むと、4月4日(金)に大きな異変があったのなら、4月4日に発表された米国の3月雇用統計の結果が相当悪かったのではないかと思ってしまいます。しかし、実際そのような事はありません。4月4日の株式市場取引開始前に発表された3月の米国雇用統計は、2月に比べて19万2000人の増加で、失業率は前月と同じ6.7%でした。どちらも僅かに市場予想平均を下回りましたが、悪くはない数字です。また、1月と2月分の速報値についてもそれぞれ上方修正されており、雇用統計はまずまず堅調といえます。 もう1つ、4月1日と3日発表された3月の米国サプライ管理協会(ISM)発表の景況感指数も製造業、サービス業ともに市場予想を若干下回ったものの、2月よりは改善して、ともに53ポイント台となり(景況感の境目は50であり、50以上は業況の拡大を意味する)、悪くない結果でした。
このように米国の経済指標は恐れていたような失速はなく、逆に堅調に推移しています。しかし、快調に飛ばしているかといえば、そこまでの成長感はありません。この調子で進めばイエレン新FRB議長の言うように、年内でテーパリング完了、2015年6月頃に利上げということになってしまうような、無難で緩い成長ペースです。
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