「現状維持/71.9%」が意味すること

消費増税で「夫のこづかい」はもう身動きがとれない……!?

消費増税で「夫のこづかい」はもう身動きがとれない……!?

新生銀行が昨年夏に発表した2013年版のサラリーマンのこづかい調査によると、平均月額は前年より1299円下がり、3万8457円。1979年の調査開始以来、2番目に低い額であるとともにバブル崩壊後のワーストを更新、とのことです。

しかし、これが「夫」のこづかいに限定すると、事態はさらに悪化します。未既婚別では未婚者が4万6175円なのに対し、既婚者は3万996円(下図参照)。1.5倍もの開きがあるのですから、ここにも格差社会があったのか、という感じでしょうか。

新生銀行「2013年/サラリーマンお小遣い調査」および「サラリーマンのお小遣い調査・30年白書」より。2013年版のサンプル数は2000名(そのうち20代~50代の男性サラリーマン1048名、女性会社員268名、他パート・アルバイト)

新生銀行「2013年/サラリーマンお小遣い調査」および「サラリーマンのお小遣い調査・30年白書」より。2013年版のサンプル数は2000名(そのうち20代~50代の男性サラリーマン1048名、女性会社員268名、他パート・アルバイト)


そして、このこづかい事情、消費税という大問題に現在直面しています。増税に合わせて、上げるのか、下げるのか。どちらにも“もっともな”言い分があります。受け取る側の論理では、アップ分を補てんしてくれなくては、結果的にマイナスではないか、と。家計の側から見れば、増税に合わせて支出全体を切り詰めなくてはならないのだから、こづかいもその例外ではない、というわけです。

では、そのことについて、世の夫や妻はどう考えているのでしょうか。旭化成ホームズが昨年、30歳以上の既婚者に行ったアンケートによると、消費増税後の夫(または本人)のこづかいの金額について、「上げるべき」は8.9%、「下げるべき」は19.2%。上げ下げについては「下げるべき」が優勢となりましたが、もうひとつの選択肢である「現状維持」が71.9%と、結果的に大多数を占めました(下図参照)。

旭化成ホームズ「2013年の消費意欲と住宅需要に関する意識調査」より。サンプル数858名(既婚者、30歳以上)

旭化成ホームズ「2013年の消費意欲と住宅需要に関する意識調査」より。サンプル数858名(既婚者、30歳以上)



10%になれば「下がる」のも仕方がない!?

さて、本題に移りましょう。もし、「現状維持が7割」というアンケートどおりに事態が推移すれば、先に触れたように、これは実質目減りを意味します。

仮にこづかいが月3万円とすると、消費税5%の場合、支出できる税抜きの上限額は2万8570円ほど。これが8%の場合、上限額は2万7780円ほどですから、790円目減りするわけです。しかも、来年10月の消費税10%はほぼ既定路線。となると、目減り額は1300円に。サラリーマンの昼食代の平均が518円(先の新生銀行調査より。弁当持参者を除く平均額)ですから、その時点で「月に2日は昼めし抜き!」と言い渡されたのと、金額ベースでは同じことになります。

そこで大事になるのは、家計全体の中で「こづかい」を考えることです。健全な家計の基本は、必要な貯蓄のペースを落とさず、収支のバランスを維持できるかどうか。年収500万円、4人家族の場合で、今回の消費税8%により、負担増は年間10万~15万円と言われています。来年の10%では、さらなる負担増となるのですから、増税と同様の収入アップがなければ、当然、家計健全化のためには切り詰めを強いられます。そういう状況下では、こづかい額の「現状維持」も困難かもしれません。

しかし、それも「家族全員で家計を支える」と考え、納得することが必要です。同時に、こづかいの使い方も工夫が大切。水筒を持参、衝動買いをなくす、飲みにいく回数を減らすなど、すでに実践している人も多いでしょうが、まだであれば着手すべきでしょう。

また、家計は数字だけでは割り切れません。すべてを節約、切り詰めという目で見てしまうと、気持ちも落ち込みがち。生活自体、前向きになれません。これを家計の無駄を省く好機としてとらえれば、以前よりも有効な、そして金額だけではない豊かなお金の使い方を見出すこともできるはずです。ぜひ、こづかいをひとつのとしてキッカケとして、家計を見直してみてください。
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