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犬もアンチエイジングの時代――半数以上はシニア犬

犬の寿命も延びた分、それに比例してシニア犬の数も増えています。シニア犬を無視しては語れない犬の時代の到来です。だからこそ、犬もアンチエイジング。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

現在、犬の平均寿命は14.19歳。一般社団法人ペットフード協会が行毎年行っている全国犬猫飼育実態調査の結果からはじき出された数字です。さらには、7歳以上の犬が52%と半数以上を占めており、もう少し詳しく見ると7~9歳の犬が21.3%、10~12歳の犬が17.4%、13歳以上が13.3%となっています。人間同様、犬も高齢化が進んでいるというわけです。

何歳からシニア犬?

アンチエイジングで健やかなシニア期を

犬は人間の4倍から6~7倍のスピードで歳をとっていく

犬の場合、一般的にはシニア期の入口は7歳くらいからと考えられています。平均的に消化機能や運動機能などが低下し始めるのがその頃。人間の中年太りのように、太りやすくなる時期でもあります。

しかし、早く成長し、ゆっくり老化する小型犬と、ゆっくり成長して早く老化する大型犬とでは少々開きがあり、仮に人間の60歳を本格的シニア期とした場合、ある犬の年齢換算法で数えると、小型犬では9歳、中型犬では8歳、大型犬では7歳に相当します。

やがてシニア犬となるなら、少しでも健やかに過ごさせてあげたいもの。それには、若い頃からの老化予防(アンチエイジング)が何よりです。たとえシニア期に入ったコであっても、アンチエイジングを意識することで老化を多少なりとも遅らせることは可能となります。

散歩や運動で筋肉をつくり、肥満予防

シニア期になるとどうしも運動量が減ることから太りやすくもなりますし、関節のトラブルが出たり、筋肉も衰えがち。肥満は関節や心臓に負担をかけるばかりでなく、免疫力の低下や皮膚トラブルとも関係します。場合によっては気管を圧迫し、呼吸が苦しくなることもありますので、特に短吻種の犬種では要注意です。

筋肉は関節を支えるという大切な働きをしている他、体の基礎代謝とも関係します。基礎代謝とは運動など何もしなくても自然に消費されていくエネルギーのこと。その約4割は筋肉で行われることから、しっかりとした筋肉をつくっておくことは、より太りにくい体をつくることにもつながります。

若い頃に比べて運動する量が減ったとしても、緩やかな坂道を登り下りしたり、砂地を歩いてみたり、多少の負荷をかける運動をさせてあげるといいでしょう。

太陽の光にもアンチエイジング効果

また、散歩は暑い時期でない限り、できるだけ日中、それも朝方に行くのがお勧め。太陽の光を浴びると体内でビタミンDが生産されますが、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける他、細胞レベルでの老化を防いだり、血管や心臓の機能を改善し、抗ガン作用もあるとされています。

これは人間での話ですが、65歳以上の人でビタミンDが不足すると脳の認知機能障害が増加するそうです。ビタミンDは脳の活動にも大切な役割を果たしてくれるのですね。

そのビタミンDは、北に住んでいる人ほど少ないそうです。国立環境研究所が行った研究によると、人間が必要なビタミンを作るのに、冬の正午の太陽光の場合、関東在住の人では22分、沖縄在住の人では8分、北海道在住の人では76分必要だとか。

これがそっくりそのまま犬にもあてはまるかどうかはわかりませんが、犬にとっても太陽の光は大切だということに変わりはないでしょう。

さらに、太陽の光を浴びると脳を覚醒するセロトニンが分泌され、その14~15時間後に眠気を誘う睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが分泌されるということですが、昼夜が逆転している場合、体内時計をリセットするためにも朝陽を浴びながら散歩をするというのはいいのではないでしょうか。

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